トランプ政権「Peace through Strength」方針に悪乗りか
現在は185機以上のF-47と、100機以上のB-21要求のところ
根拠は都合の良い過去の他者研究
他軍種戦力は考慮せず、かつ給油機や輸送機の所要には触れず
敵が相手から攻撃を受ける心配がない「聖域を確保しない」ため、米空軍は現在「185機以上」を取得予定としているF-47戦闘機を「300機」、また現在「100機以上」取得予定しているB-21爆撃機を「200機以上」導入するよう提言するとともに、F-47とB-21態勢が整うまでの間隙を埋めるため、当面の間F-35とF-15EX戦闘機を毎年最大製造機数である74機と24機ペースでそれぞれ購入するよう求めています
同レポートを報じる2月9日付Defense-News記事の要旨説明によれば
●朝鮮やベトナム戦争等の戦いや、露によるウクライナ侵略戦争は、敵の基地や拠点を空襲できない、又は攻撃意志がない軍隊は、過酷な消耗戦に陥るリスクが高いことを教えてくれる。強力な長距離航空戦力の大幅増強が無ければ、米国は中国に対し同様の危険に直面する可能性がある
●イラン核施設を攻撃した昨年6月の作戦は、B-2ステルス爆撃機全機を攻撃部隊と「おとり部隊」として同時投入し、第2撃能力は無く、敵攻撃でB-2を損耗しても補充する製造能力もない綱渡りの作戦であった
●イランより遥かに強力な中国は、「西太平洋全体を事実上自国の聖域とすべく能力と態勢を意図的に構築中」で、このような大国と戦う場合、米軍は遥かに強力な敵防空網に対処する必要があり、十分な予備戦力がない状態では、友軍の損耗を恐れて大胆な攻撃を控えざるを得ず、中国による台湾先制攻撃を抑止するには不十分な恐れがある
●つまり、中国内の基地や重要標的を、我が戦力でリスク下に置けないなら、中国の攻撃的な行動を抑止する力が著しく低下することから、米国防省は議会の理解を得て、B-21爆撃機の開発と製造ペースを加速する資金を確保すべきである。
●同時に米国防省は議会とともに、F-47開発を優先的に進めると同時に、その調達規模を現在想定の約2倍増の「300機」とすべきである。
●ただ、B-21爆撃機やF-47次世代戦闘機の態勢確立には時間が必要であることから、次世代機体制が整うまでの態勢確保用に、維持費削減のため退役予定のB-1やB-2爆撃機の退役時期を延期するとともに、同じく予算的制約等から調達ペースダウン状態にあるF-35とF-15EX戦闘機を、毎年最大製造機数である74機(直近で年24機)と24機ペースで当面購入すべき
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このレポートは、「Peace through Strength」方針を基礎とした1月23日発表の国家防衛戦略NDSに対応し、戦闘機族支配が再び強化されつつある米空軍の要請にこたえる形で、米空軍協会応援団である米空軍協会が、とりあえず戦闘機と爆撃機数を増強する必要があると主張するため、既
存の他研究機関を含む研究成果を都合よくかき集めてつなぎ合わせた様な内容となっています。
そのため、国家予算の現状を踏まえた議論可能な予算規模への配慮、戦闘機と爆撃機の支援体制や、統合作戦の中での他軍種との役割分担などを完全に無視し、即席でまとめたものと感じさせる「犬も食わない」内容となっており、すぐ頭に浮かぶだけでも、本レポートは以下を無視、又は検討から排除しています。
●台湾有事を想定した様々な過去の検討レポートが大前提としている、「核戦争へのエスカレーションを招く中国本土への攻撃オプション除外」
●長射程ミサイル兵器との任務分担(この検討の必要性はレポート内でも言及)
●戦闘機クラス(F-35やF-15EXやF-47)を対中国で運用するに必要な空中給油機体制や、弾薬や燃料等の不可欠な要素を少なくとも第2列島線上の基地まで円滑に輸送補給する体制整備
●戦闘機や爆撃機クラスの運用拠点となる基地の防空&防御態勢整備(ミサイル防衛やドローン防御等々)
●次世代爆撃機や戦闘機の導入数を、現状から2倍程度拡大するに必要な人的体制
トランプ政権誕生直後から繰り出されている「ちゃぶ台返し」計画の数々、つまり「F-47次世代戦闘機」「Golden Dome構想」「トランプ級戦艦」などにより、米軍の各軍種は疑心暗鬼を抱えたまま混乱の渦中にいるように見え、特に米空軍の「前時代的な思想復古ぶり」「戦闘機命主義ぶり」が気になります。
ミッチェル研究所のレポート現物(24ページ)
https://www.mitchellaerospacepower.org/app/uploads/2026/02/Strategic_Attack_Denying_Sanctuary_Policy_Paper_64.pdf
トランプ政権?国防政策
「トランプ級戦艦に言い訳」→https://holylandtokyo.com/2026/01/22/13703/
「同戦艦発表」→https://holylandtokyo.com/2026/01/05/13521/
「Golden Dome構想批判」→https://holylandtokyo.com/2026/02/09/13890/
「GD構想」→https://holylandtokyo.com/2025/02/14/10810/
「F-47批判」→https://holylandtokyo.com/2025/04/03/11185/
「F47決定」→https://holylandtokyo.com/2025/03/24/11099/


2月9日、米空軍協会ミッチェル研究所が24ページのレポート「Strategic Attack: Maintaining the Air Force’s Capacity to Deny Enemy Sanctuaries」を発表し、朝鮮戦争やベトナム戦争、更には現在進行中のウクライナ戦争までの戦いを踏まえ、タイトル通り「敵の重要な作戦基地や拠点を攻撃する能力を持たない、又は攻撃意志がない軍隊は、消耗戦に巻き込まれる可能性がある」との危機意識を背景に、