「Sky Foundry 法」を制定し米陸軍基地内に製造拠点を
今後2~3年以内に少なくとも100万機のドローン配備予定
中国製造部品を排除し米軍支配に必要なドローン供給狙い
この「SkyFoundry計画」実施に必要な法的基盤は、共和党下院議員が9月に提案し、既に両院を通過成立した「SkyFoundry Act of 2025」として用意されており、米軍と民間企業と請負業者スタッフを融合させ、政府所有・政府運営の請負業者増強モデル(GOGO/CA:Government-Qwned, Government-Qperated Contractor Augmented model)を推進し、今後2~3年以内に100万機以上のドローン供給を目指す供給施設実現に向けた枠組みは、概ね整っているとのことです
議員立法を推進したPat Harrigan下院議員は、
●現代戦での死傷者の8割以上はドローンによるものだが、米国には米軍に大規模にドローンを製造提供する能力が不足しており、現下の戦いにおいて兵士を無防備な状態に陥れている
●この法律は、米国内で年間100万機のドローンを設計、試験、製造する能力を創出し、中国をサプライチェーンから排除し、戦勝を左右する兵器生産において、二度と後塵を拝しないための決意表明でもある
陸軍長官発表を補足する陸軍報道官は
●「SkyFoundry計画」は、米国の関連産業基盤の活性化を支援する陸軍主導の官民パートナーシップ構想で、米国製造業を刺激し、レアメタルへのアクセスを向上させ、低コスト部品を生産し、
最終的に米陸軍の緊急ドローンニーズに対応するもの
●関係者すべてが恩恵を受ける仕組みで、米国産業は健全になり、国はより安全になり、陸軍は数年で数百万機のドローンを製造&調達可能なシステムを入手することになる
●製造対象となるドローンには、1回のみ使用タイプもあれば、耐久性を備えるものもある。いずれにしても、現代戦場でカギを握るドローン運用と敵ドローンへの対処について、全ての米軍人が十分な知識を身につける必要がある
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具体的にドローン生産拠点が設置される場所として、11月7日付 Defense-News 記事は「NJ州の Picatinny Arsenal」や「テキサス州の Red River Army Depot」を挙げていますが、今後様々な計画の細部が明らかになっていくのでしょう
これまで、米国政権による「米国製ドローンによる支配」の夢実現に不可欠なものの例として、「ウクライナのような厳しい環境に挑む企業の挑戦意欲」や「激しい電波妨害耐久テストが可能な試験環境の準備」の視点から記事を提供してきましたが、米陸軍による「Sky Foundry 計画」が、これら課題を克服するものであることを祈念してやみません
それにしても、どのような統計が根拠なのか不明ですが、Harrigan議員指摘の「現代戦での死傷者の8割以上はドローンによるもの」との現実は、どのような戦場環境や戦略的環境においても、程度の差はあれ「現代戦の現実」なのでしょう。少なくとも戦闘機命派は、謙虚に現実に向き合うべきです。
米国製ドローンによる支配に立ちはだかる壁
「米空軍高官:ウクライナで試験せよ」→https://holylandtokyo.com/2025/09/09/12705/
「米がドローン支配狙うも」→https://holylandtokyo.com/2025/07128/12266/
「米国内の米車基地防衛机上演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/
ウクライナとイスラエルの革新的兄弟作戦
「防研のクモの果作戦解説」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/
「イ工作員の防空網破壊が口火」→https://holylandtokyo.com/2025/06/23/11962/
「空軍OBが影響否定:クモの巣作戦」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/


11月7日Dan Driscoll陸軍長官は、米陸軍のドローン需要拡大に対応する小型ドローンの米国内生産体制を整備するため、関連企業の協力と理解を得て、政府所有の小型ドローン大量生産拠点を陸軍基地(補給処や兵器整備基地等)に設立し、中露等々とのドローン製造能カギャップを解消し、2026年までに月産1万機のドローン生産体制確立を目指す「Sky Foundry 計画」を発表しました。