21年ぶりに米軍がプエルトリコの海軍航空基地を再開

Roosevelt Roads Naval Station:3000m滑走路持つ2004年閉鎖の基地
ベネズエラから約800kmに位置し東京ドーム750個分の面積
9月14日頃に米海兵隊F-35B型の展開確認
9月中旬には誘導路の再舗装作業を確認
11月10日の週には空母フォード攻撃群も到着か

11月3日付Milrary.com記事は、ベネズエラとの緊張が高まり、ベネズエラ駐在米国外交官や米国関係者の家族の同国退去が始まっているとされる中、ベネズエラから北方約800kmの距離に位置する、20年以上使用されていなかった3000m滑走路を持つプエルトリコのRoosevelt Roads海軍航空基地の施設再整備が米軍により急速に進められており、

9月14日に5機の米海兵隊F-35B型の展開が確認されて以降、MQ-9無人偵察攻撃機やAC-130特殊攻撃機やMV-22オスプレイや大型輸送機やヘリコプター等の存在が確認されているほか、滑走路に接続する誘導路の再舗装作業や老朽施設の撤去と新施設の急速整備が確認され、空港名も同国の英雄の名を冠した「Jose Aponte de la Torre空港」に改称されていると報じています

並行してプエルトリコの有力上院議員2名が、同空港を国家安全保障目的の特別な施設であることを同国法律で規定する「上院決議第286号」を提出し、同国議会が議決する流れとなっているようです

同空港は、21年前の2004年に、近傍に所在するビスケス島での軍事演習に対する抗議が契機となって閉鎖され、東京ドーム750個分の広大な敷地には様々な再開発計画が持ち上がりましたが、実現には至らず、敷地の大部分は最近までほとんど使われていなかったとのことです。

前述の上院議員は、「Roosevelt Roads海軍航空基地は、約20年前までは、それ以前の数十年にわたり、島東部経済の原動力となってきた」、「今日、私たちには、その施設が再び重要な役割を果たす可能性について、真剣かつ戦略的に検討する責任があります。カリブ海とアメリカ大陸の防衛だけでなく、飛行場周辺自治体の経済活性化にも貢献するのです」と今回の施設再興の意義をプエルトリコ国民に訴えているとのことです
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現在カリブ海地域には、上記で紹介したF-35やMQ-9等の他にも、8隻の戦闘艦艇、原子力潜水艦、P-8哨戒機、特殊偵察機等が展開し、1万人以上の米軍兵士が活動しており、戦闘艦艇は全海軍約14%を占めるほどの戦力となっていますが、フォード空母攻群の到着により、追加のF-35やFA-18空母艦載飛行隊と兵士4500名がこの地域のプレゼンスに加わることになります。

最近の米軍事メディアを見ていると、国防省や米軍関係者、また米国政府関係者は、「対中国プレゼンス重視は最重要な任務であり、何ら変化はないが、西半球にも焦点を当てていく」との慎重で丁寧な表現をしていますが、政府外の有識者や専門家は「インドアジア太平洋から西半球へのシフト」との表現を使い始めており、この1~2か月での急速な米国政策の変化を感じます。

米国の中間選挙を控え、トランプ政権の支持率が下降傾向の微妙な中、引き続き要注意です

緊迫する中南米と西半球重視
「中東に空母ゼロの衝撃」→https://holylandtokyo.com/2025/11/05/13085/
「最新空母群を中東からカリブ海へ」→https://holylandtokyo.com/2025/10/28/13057/
「B-52で威嚇」→https://holylandtokyo.com/2025/10/21/13001/
「麻薬密輸船への米軍攻撃理論」→https://holylandtokyo.com/2025/10/06/12942/
「新NDSでは中南米が」→https://holylandtokyo.com/2025/09/30/12893/

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