あのバイラクタル改良型が揚陸艦で離着陸成功
ウクライナ緒戦で活躍の無人攻撃機をPower-Up
とは言っても・・・、トルコも元々はF-35戦闘機のSTOL(短距離離着陸)型であるF-35Bの導入とトルコ海軍艦艇での運用を計画していた国で、ロシアの防空ミサイルシステム(S-400)を米国やNATOの大反対を押し切って導入した結果、F-35共同開発国でありながらF-35購入を拒否されたため、仕方なく自国製無人攻撃偵察機バイラクタル(Bayraktar)の改良&艦艇搭載に取り組んでいる経緯を踏んでいるわけですが・・・
バイラクタルTB2とTB3の違い
●艦艇搭載用に主翼の折り畳み構造を取り入れ
●機体の大型化(全長6.5→8.3m、主翼幅12→14m)
●プロペラエンジンをTB2の100馬力から172馬力に強化
●センサーや兵器搭載量増(130→280kg)
●機体大型化もTB2よりSTOL性能向上
また同記事は、TB2やTB3を開発しているBaykar Defence社が、同時に取り組んでいるジェット推進の無人戦闘機Kızılelma(クズルエルマ)も、同じ強襲揚陸艦「アナドル」で運用する「無人機空母化」計画に取り組んでいると紹介しています。
ただ、トルコが今後どのようなスケジュールで、「アナドル」の「無人機空母化」計画を進めるのかについて、「乗り物ニュース」記事は触れていません。
一方で同記事は、MB-9無人偵察攻撃機を製造する米国のGeneral Atomics Aeronautical Systems (GA-ASI)社が11月12日に、韓国海軍の強襲揚陸艦「独島Dokdo」から、同社開発の無人機Gray Eagle STOLが発艦試験に成功したことも紹介し、同社が2023年11月に英国空母「クイーンエリザベス」から技術実証用無人機「Mojaveモハベ」の発着艦試験を行うなど、固定翼無人機を海軍艦艇から運用する可能性を模索していると併せて紹介しています
そして更に、同GA-ASI社がMQ-9の海洋監視型MQ-9B(2024年11月に海上自衛隊も正式導入決定)を、カタパルトや航空機の着艦に使用するアレスティングギアを持たない大型海軍艦艇の甲板から運用可能にする「STOLアップグレードキット」を提案しており、海上自衛隊を含む「その他の海軍」でも導入が検討されていると記事は紹介しています。
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下記の過去記事でご紹介しているように、米海軍は2010年代前半に「X-47B」とのステルス形状(B-2やB-21爆撃機の小型版のイメージ)の空母艦載無人機を開発し、空母での離発着試験を含む作戦運用可能なレベルに技術成熟させていましたが、なぜか実用化が見送られ、艦載無人空中給油機MQ-25としてのみ導入される方向となっています
本件に関し、元米海軍トップのGarry Roughead退役大将(X-47Bを開発推進していた現役時から、米海軍内の無人攻撃機に対する消極姿勢を問題視)は、「2012年に無人艦載機X-47Bが初飛行や着艦試験を成功させた後、その成果は放置されたままだ。これほど重要な新技術に、これだけ怠惰な姿勢は許しがたい」と厳しく米海軍を批判しています。 大きな組織ほど変革が難しいのでしょう・・・。トルコはどこまで・・・
ウクライナ緒戦で活躍のBayraktar TB2
→https://holylandtokyo.com/2022/03/05/2787/
米海軍で空母艦載の無人攻撃機構想がしぼむ様子
「組織防衛VS無人機導入派」→https://holylandtokyo.com/2014/08/04/8327/
「哀愁漂うUCLASS議論」→https://holylandtokyo.com/2014/02/20/8535/
無人艦載攻撃機X-47Bの夢
「夏にRFP発出か:無人艦載機」→https://holylandtokyo.com/2013/04/02/8832/
「空母から初離陸」→https://holylandtokyo.com/2013/05/16/8814/
「空母で艦上試験中」→https://holylandtokyo.com/2012/12/12/8979/

