Stand-inミサイル SiAWが2026年運用開始目指し

地上攻撃用でF-35、B-21、F-15Eへまず搭載
射程350km以上でも「Stand-in Attack Weapon」!!
対中国の弾薬不足&高コスト対策に安価オプション追求

11月20日付空軍協会web記事は、米空軍が2023年9月に契約し、F-35・B-21・F-15E に搭載して2026年運用開始を目指している地上攻撃用新型ミサイル兵器 SiAW (Stand-in Attack Weapon)に関し、開発「第2段階」の「キャプティブキャリー/分離テスト」に向け、契約先 Northrop Grumman 社(NG 社)から米空軍へ現物が提供されたと報じています。

このSiAWは、射程距離や飛翔速度等々の情報が全く公開されていませんが、各種WarGame 等から対中国作戦に必要な兵器数量を検討した結果、現有の高価なJASSM やLRASM等の巡航ミサイルでは全体数量が圧倒的に不足してコスト負担も重いことから、より安価で迅速調達が可能な攻撃兵器確保を目指し急遽開発が進んでいる兵器だと解釈されています

同記事から「SiAW」の各種情報をご紹介すると
●SiAWは、HARMの後継として同盟国(豪蘭ポーランド)にも提供される射程延長型対レーダー誘導ミサイル(AARGM-ER:Advanced Anti-Radar Guided Missile-Extended Range) をベースに、デジタル設計技術を最大限に活用し、2026年IOCを目指す兵器

●なおベースとなるAARGM-ER は速度マック4で射程180マイル(350km)とされているが、SiAWは「Stand-in Attack Weapon」と呼称されながらも、AARGM-ER 超えの性能を持つといわれ、NG社は一部の防空システム射程圏外から発射可能と説明している。F-35やB-21の内部兵器庫に格納して運搬

●また SiAWは、可変尾翼等がステルス性を追求して設計され、GPS妨害を受けても目標到達を可能とする複数センサーと慣性航法システムを装備。また、他アセットや兵器から目標座標を入手して攻撃することも可

●JDAMの後継的性格も持つと言及されることもあるが、NG社は、地上重要施設や移動目標へのスタンドオフ攻撃能力を提供し、指揮統制施設、弾道及び巡航ミサイル発射装置、GPS施設、対衛星兵器システム、その他の高価値目標に対する主力兵器を目指すとアピールしている

●米空軍幹部は SiAWを、初の完全デジタル兵器開発・取得プログラムになると表現し、またオープンアーキテクチャ方式採用で、NG 社以外の企業も能力向上提案可能とし、数千に上る部品を頻繁に技術更新する大規模な調達ブログラムになると予想。更にソフト開発と更新にも「agile software development」を導入する方針
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SiAWの個人作成解説映像(約20分もありますが。。。)

米空軍は冒頭でご説明した「弾薬不足」と「弾薬コスト削減」のため、同時にSoAW(Stand-off Attack Weapon)も開発中です。

射程 350kmを超える子想もある SiAWが「Stand-in」兵器なら、「Stand-off」と呼称される「SoAW」がどんな兵器なのか気になりますが、それはまた別の機会にご紹介したいと思います。

SiAW関連の記事
「B-21初飛行で観察された 12点」→https://holylandtokyo.com/2023/12/01/5284/
「SoAWと絡め SiAWに言及」→https://holylandtokyo.com/2022/09/09/3624/

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