建造中の中国最新潜水艦沈没を米国防省確認

武漢付近の長江(揚子江)沿岸の国営造船所で
5月から6月の間に沈没した模様
6月中旬から引揚作業、8月下旬には作業完了か

Zhou-class3.jpg9月27日付各種メディアが、中国が開発中だった最新型「周(Zhou)」級攻撃型原子力潜水艦が、5月から6月に内陸都市武漢の長江(揚子江)流域の造船所で沈没したと米WS」紙が26日に初報し、米国防高官もこれを認めたと報じています

沈没した潜水艦は最新型である周級(Zhou-class)の1番艦で、機動力向上のために船尾が「X型」になっているのが特徴とされてきました。この造船所で潜水艦沈没事故が発生との疑惑は、商業用衛星画像を基に西側軍事メディアや台湾メディア、SNS上で噂されてきましたが、米国が公に認めたのは今回が初めてとのことです。

Zhou-class2.jpgWSJ紙は米当局者を引用し、沈没した原子力潜水艦は核燃料を載せていた可能性が高いという見方を紹介し、武漢武員の国営造船所で建造されたこの潜水艦は5月末、出港を控えて装備の最終確認等を行っている様子が確認されていた模様だ、とも伝えています。

その後、沈没後と推定される6月15日に撮影された衛星画像には、川面のすぐ下に完全にまたは部分的に沈んでいる潜水艦と、その周囲を救助機材とクレーンが取り囲んでいる様子が写っていた模様です。また、潜水艦から油れ等を防ぐため、周囲にフェンスが設置されていたとも報じられています。

Zhou-class5.jpg更に、8月25日に撮影された衛星画像には、沈没事故が発生した同じ導頭に潜水艦が停泊してる様子が写っているようですが、引き揚げられた潜水艦かは確認できないようです

事故当時、沈没した周級潜水艦に核燃料が積まれていたのか、原子炉が稼働していたのかは不明ですが、事故後、その地域で放射線が検出されたとの情報は現時点でないようです。
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Zhou-class4.jpg中国外務省の報道官は9月27日の定例記者会見で、この問題についてはよく知らないと述べたようですが、中国らしい対応です。

公刊情報によると、中国は2023年時点で、原子力戦略ミサイル潜水艦6隻、攻撃型原子力潜水艦6隻、ディーゼル攻撃型潜水艦 48隻を運用していますが、表面上の「勇ましさ」とは表腹に、給料の未払いや一部カットが伝えられる中国軍や中国社会の状況を踏まえると、このような事故はますます増えそうな気がします

中国軍事に関する過去記事リンク
https://holylandtokyo.com/category/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e8%a6%81%e4%ba%ba%e3%83%bb%e8%bb%8d%e4%ba%8b/

https://holyland.blog.ss-blog.jp/archive/c2300801487-1

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