今年1月に4アイテム、4月に4つ、そして7月にも
無人機戦、マーシャル論、組織改革、リーダー組織運営
各推薦アイテムへのリンク付きでご紹介
7月1日付米空軍協会web記事が、米空軍参謀総長で空軍大改革をリードしているDavid W. Allvin大将の推薦ライブラリーに追加された、4アイテム(研究レポート、書籍2冊、Podcast)を紹介していますので、概要をお伝えします。
ウクライナ戦争における無人機技術や作戦運用と通じて最新の軍事技術が戦いに与える変化を学ぶシンクタンクCNASのレポート、米陸軍将軍から国防長官、そして国務長官としてWW2期に活躍したGeorge Marshall氏のリーダーシップ像、大学教授で経営コンサルタントによるリーダーの組織運営や活性化策に関する書籍と、より良い職場環境や職場チームの育成法に関するPodcastの4アイテムです
●CNASのウクライナでの無人機使用関連レポート
・以前所属したRAND研究所で米空軍関連プロジェクトを担当していた、現在はCNAS研究員による「Evolution not Revolution: Drone Warfare in Russia’s 2022 Invasion of Ukraine」とのレポート。Allvin参謀総長が「変化し続ける戦争の様相に関する洞察に富むレポート」だと推薦
・ウクライナでの露との戦いにおけるドローンの役割や活用に関する最新状況を、米国防省や米軍・NATO関係者や軍事専門家への聞き取りから取りまとめ独自に分析した報告。ドローンの群れより集積が重要(drone stacks over drone swarms)、長射程カミカゼ無人機の脅威、対ドローンシステム技術への分析が特徴の模様
●マーシャル将軍・国防&国務長官のリーダー像
・WW2期のリーダー像を描いてきた作家による「George Marshall: Defender of the Republic」との書籍。Allvin大将は「マーシャル氏のリーダーシップスタイルや意思決定プロセスから、米空軍兵士は戦略的計画や危機管理に関し多くを学ぶことができ、同時にリーダーシップ複雑な側面や人格の重要性に触れることができる」と推薦
・George Marshall氏はゲーツ元国防長官も繰り返し推薦してきたWW2当時の指導者で、軍人としてだけでなく、WW2後の欧州復興を導いた「マーシャルプラン」でも知られる人物
●ハーバード教授の最新リーダー像事例
・ハーバード大学ビジネススクール教授でコンサルタントの著者による「Leading Change」との書籍。Allvin大将は「変革と革新を追求する空軍兵士の必読本。複数の実例を通じ、様々な障害や組織の抵抗を乗り越え、組織リーダーが組織を導いていくプロセスを紹介。軍人リーダーが状況に応じた機敏で柔軟な対応を学ぶ材料」だと推薦
・著者の一連の組織改革やリーダーシップ論書籍の最初の物で、米空軍が取り組む改革の参考になると推薦
●職場環境改善や現場変革の参考に
・Allvin大将が推薦アイテムに最初に含め始めた「Podcast」媒体から、「Unveiling the Motivation Vacuum in the Workplace」とのエピソード。Allvin大将が「組織構成員それぞれを、チームとして一つの目標に向かって力を結集させ、かつその過程で組織の強さを育成するためのヒントが詰まっている。組織構成員のモチベーションを維持し高め、組織をより生産的な集団に変革する手がかりを提供」と推薦
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米空軍参謀総長に就任するまでに読んだ書籍の中から、就任時に参考図書として一度に紹介するのではなく、就任後に、その激務の中で触れた最新のアイテムを、3-4か月毎に3-4アイテムを継続して紹介していく事は、大変強い意志と決意が必要なことだと思いまし、そのこと自体が心ある米空軍人に強く響くと思います
2024年4月に追加の4アイテムは・・・
→https://www.airandspaceforces.com/new-csaf-reading-list-library-masters-of-the-air/
2024年1月最初に公表の4アイテムご紹介記事
「米空軍の大改革に向けて」→https://holylandtokyo.com/2024/01/31/5473/