無人ウイングマンCCA等の研究開発協力も
3か国協議の終盤にフィリピン大臣も参加し支援協議
5月2日、ハワイの米陸軍基地Camp Smithで日米豪の3か国国防相会談が実施され、アジア太平洋地域の安全保障情勢について議論意見交換が行われ、3か国による防空&ミサイル防衛強化に向けた初訓練やF-35共同訓練などの機会の増加、無人ウイングマン機CCAなど軍事技術開発面での協力強化、更に地域の同盟国等の国防能力強化の支援策等について合意された模様です
また日米豪国防相会議の終盤にはフィリピン国防相も協議に加わり、4か国国防相が一堂に会する2回目の4か国協議が行われ、4月に4か国海軍艦艇が南シナ海で初実施した「MCA:Joint Maritime Cooperative Activities」の流れを受けた対中国活動や、フィリピン防衛力強化のための3か国による支援について議論されたとのことです
3日付米空軍協会web記事は3か国協議に関し、
●豪州は72機のF-35購入契約済で3個飛行隊編成予定だが、機数を100機まで増強する方向にあり、日本はF-35A型を105機と艦載用B型42機の導入を2022年に決定している
●2023年に日本と豪州は、互いのF-35を相手国に派遣して訓練を行っており、この流れを発展させる形で3か国F-35共同訓練が打ち出された
●具体的には、2025年から26年にかけ実施予定の、米国でのCope North演習、日本でのBushido Guardian演習、そして豪州でのPitch Black演習での3か国F-35訓練実現に合意した
●3か国国防相は、CCA(collaborative combat aircraft)開発など、研究開発分野での協力強化にも合意した
●また3か国は、2027年に初の3か国共同「combined live-fire air-and-missile exercise」実施で合意し、アジア太平洋地域の航空&ミサイル脅威の増大を受けた共同防空枠組み開発検討を行うこととなった
●3か国協議の終盤にフィリピン国防相も協議に加わり、比の相互運用性を高め防衛能力近代化を推進するための3か国による支援について議論が行われた。そして4か国による海洋演習や共同活動を活発化することで合意した
(米国は2018年から、比の排他的経済水域EEZ内に戦闘機や爆撃機を展開して比軍と共同訓練を行っており、最近増加&エスカレート傾向にある南シナ海での中国艦艇による比艦艇への嫌がらせ行為への警戒を強めている)
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日本のメディアは相変わらず中国に忖度し、「平穏な中国」報道に努めているようですが、中国が懸命に隠そうとしてきた「経済崩壊」が隠し切れなくなり、習近平の中国内での孤立や「排除」の企てまで噂される状況に至りつつあります。
中国軍の習近平への反発や離反の動きも伝えられるなど、話半分や1/4に聞いても「中国国力の低下」は急速に進んでいるように見え、これがどのように世界に影響を与えるのかに世界の識者の関心が集まりつつあるように感じています
「中国の急速な軍事力拡大」を理由に軍事力強化の必要性を訴えてきた西側諸国が、今後は「不安定さを増す中国」への備えの必要性を前面に押し出して国防費増加を訴えるのか、日本は最も変化が遅くなるでしょうが、西側各国のインテリジェンス分析から生まれるであろう、その辺りの変化にも注目したいと思います
日米軍事同盟関連の記事
「在日米軍兵士等への医療体制不備」→https://holylandtokyo.com/2024/04/12/5736/
「極超音速兵器の迎撃態勢整備」→https://holylandtokyo.com/2024/04/11/5732/
「次の在日米軍司令官候補」→https://holylandtokyo.com/2024/03/27/5745/
「横田基地で緊急退避や被害対処訓練」→https://holylandtokyo.com/2023/11/07/5194/