9月下旬の7か国演習や米軍人の同盟国訪問で
10月3日付米空軍宇宙軍協会web記事が、9月18日から22日に米宇宙コマンドSPACECOM主催の7か国(米英加豪独仏NZ)机上演習がColorado Springsで実施されたことや、これら7か国に加えて日本も参加した毎年開催の米宇宙軍主催(STARCOM :Space Training and Readiness Command担当)の机上演習が3月に行われたことを報じ、
併せて同記事は、5月には米宇宙軍の宇宙作戦&サイバー&核兵器部長がNATO宇宙センター(仏に設置)を訪問し、7月には米宇宙コマンド司令官James Dickinson陸軍大将が欧州各国を歴訪、そして9月には米宇宙軍トップのSaltzman大将が日本を訪れるなど、宇宙分野での西側同盟国間の協力強化に向けた米軍の活発な動きを紹介しています
米宇宙軍とSPACECOMは別の組織で、厳密にいえば役割は違いますが、上記演習の目的は
●SPACECOM演習は、「情報やインテル共有量の増強、標準的な多国間指揮統制要領の一層の確立、任務遂行分野の拡大など」を目的に掲げ、持って多国間軍による任務遂行能力や強靭性強化を図り、宇宙の安全や持続性をサポートする分野の進展を狙いだと、同コマンドが発表しています
●宇宙軍STARCOM演習はその担当部署(Training and Readiness Command)からして、米軍人と併せ、主要同盟国軍の宇宙関連要員の能力向上を狙ったものと推定できます
これらの演習について参加同盟国は高く評価しており、例えばカナダ軍参加幹部は「継続的な宇宙へのアクセスを、同盟国と協力して守り保護することへのカナダ軍のコミットメントを示すものだ」と語り、
仏軍宇宙コマンドの幹部も、「脅威が宇宙にまで拡散しており、将来は宇宙での攻撃が発生しうるとの認識が広がっている」、「(多国間の協力で)宇宙における多様なオプション確保を我々は追求している」、「米SPACECOMと協力しながら、宇宙で何が発生しているのかを情報交換により迅速正確に把握し、同盟国全体をいかに守るかに皆で取り組んでいく」と表現しています
英軍と仏軍は、既に統合の宇宙コマンドを創設しており、各国内でも宇宙の重要性への認識が急速に高まっている様子が伺えます。なんとなく、よくわからない宇宙作戦や関連組織を、外から眺めている状態のまんぐーすですが、「進化&深化」しているということです
最近の米宇宙軍の話題
「NOAAから衛星譲受」→https://holylandtokyo.com/2023/09/28/5070/
「27時間で打ち上げ:記録更新」→https://holylandtokyo.com/2023/09/22/5057/
「24時間以内での緊急衛星打上へ」→https://holylandtokyo.com/2023/08/30/4992/
「初のTargeting Squadron」→https://holylandtokyo.com/2023/08/23/4970/
「空自と米宇宙軍の本格協議開始」→https://holylandtokyo.com/2023/07/26/4884/
「宇宙経由の輸送企業募集」→https://holylandtokyo.com/2023/07/10/4819/
「衛星への軌道上補給検討」→https://holylandtokyo.com/2023/03/01/4320/
サイバーと宇宙関連の記事約240本
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/archive/c2302888136-1