歴史、現状、軍近代化、地政学的分析、地域関係の5分野
ウクライナでの戦いの最中でも、「空軍長官としての優先事項は、1に中国、2に中国、3に中国だ」と繰り返し発言している剛腕Frank Kendall空軍長官ですが、この度公表された空軍長官の推薦図書19冊が、全て中国関連書籍だと明らかになり、改めて話題となっています。
下に紹介する19冊のリストには、中国の歴史、現状、軍近代化、地政学的分析、地域関係の5分野に焦点を当てた書籍がリストアップされており、Kendall長官は「国防省や政府機関で働き始めた最初の20年間は冷戦真っただ中だったが、その経験から、まず潜在的敵国への理解を深めることが重要であることを学んだ」と図書推薦の弁を述べ、
更に「ソ連を詳細に学ぶことで、当時の我々は相手の動機、戦略的意図、作戦や行動手法、戦術などについて、より良く評価できるようになった」、「そしてこれにより、紛争防止や紛争への備えで助けられた。我々が獲得したソ連の行動を予測し対処する能力は、ソ連を効率的に抑止し、最終的にはソ連を崩壊に導いた」と敵対国を学んだ経験を述べています
そして現在の対象である中国について、「中国の急速な軍事力強化と増々増長する自己中心的な行動は、米国の国益、米本土や地域の安定に対する極めて大きな脅威となっている」、「この挑戦への対処に時間の無駄は許されない。中国を学んでよく理解することは、最適な抑止法や必要時に我々への脅威を跳ね返すための、賢明な判断を下す必要条件である」と述べています
そのリストとは
(なお、まんぐーすは1冊も読んでいません)
- “On China” by Henry Kissinger
- “The Search for Modern China” by Jonathan D. Spence
- “The Rise and Fall of Imperial China” by Yuhua Wang
- “Stilwell and the American Experience in China, 1911-1945″ by Barbara W. Tuchman
- “The World According to China” by Elizabeth C. Economy
- “The Avoidable War” by Kevin Rudd
- “China’s New Red Guards: The Return of Radicalism and the Rebirth of Mao Zedong” by Jude D. Blanchette
- “The People’s Republic of Amnesia: Tiananmen Revisited” by Louisa Lim
- “The Party: The Secret World of China’s Communist Rulers” by Richard McGregor
- “Active Defense: China’s Military Strategy Since 1949” by M. Taylor Fravel
- “Fire on the Water: China, America, and the Future of the Pacific” by Robert Haddick
- “The Long Game: China’s Grand Strategy to Displace American Order” by Rush Doshi
- “The Hundred-Year Marathon: China’s Secret Strategy to Replace America as the Global Superpower” by Michael Pillsbury
- “The Third Revolution: Xi Jinping and the New Chinese State” by Elizabeth C. Economy
- “China’s Quest for Great Power: Ships, Oil, and Foreign Policy” by Bernard D. Cole
- “Where Great Powers Meet: America and China in Southeast Asia” by David Shambaugh
- “The Elephant and the Dragon” by Robyn Meredith
- “The Future Is Asian” by Parag Khanna
- “The Trouble with Taiwan: History, the United States, and a Rising China” by Kerry Brown and Kalley Wu Tzu Hui
最近、米国のみならず、欧州でも中国に対する厳しい批判が各方面から上がっていますが、日本でNHKやYahooニュースなど見ていると、中国人が書いた記事か? 中国の主張そのままタレ流しか? と疑うような中国寄りの報道が相変わらず多くを占めています
そんな中で、米空軍の先頭に立つ空軍長官のきっぱりとした姿勢にはスッキリさわやかです。キッシンジャーからピューリッツァー賞受賞者や著名な米国人中国専門家などの筆による、様々な書籍が並んでいますが、ご興味のある方はどうぞ・・・
最近のKendall長官関連記事
「NGAD候補企業が同じ基地内で」→https://holylandtokyo.com/2023/05/25/4678/
「NGADは欧州型とアジア太平洋型追求」→https://holylandtokyo.com/2023/05/10/4604/
「200機と無人僚機1000機」→https://holylandtokyo.com/2023/03/09/4403/
「ステルス給油機に積極発言」→https://holylandtokyo.com/2023/01/25/4156/