在スーダンの米国一般人約16000名は放置
100名の米軍特殊部隊がヘリ3機で70名の米大使館員を
AP通信を引用した22日付MIlitary.comは、4月23日の日曜日に行われた在スーダン米国大使館員の国外避難は、スーダンに残る約1.6万人の米国一般人を置き去りにしたままの脱出作戦だったと報じています
在スーダンの米国大使館は、22日土曜日早朝に在スーダン米国民に対し、「首都ハルツームの不安定な状況や空港閉鎖のため、一般米国民の米国政府主導による退避を企てられる状況にはない」との緊急情報を発出していたとのことです
作戦は、3機のMH-47特殊作戦ヘリに分乗した約100名の米軍特殊作戦部隊兵が、スーダンの首都ハルツームにある米国大使館内のヘリポートに展開し、約70名の大使館員をヘリに収容し、着陸から1時間以内に再離陸して、隣国エチオピアの飛行場まで輸送したもので、作戦間に攻撃を受けたりけが人が出たとの情報は無い様です
記事によれば米国政府は、スーダン内で内戦状態にある2つの勢力の両方とコンタクトを取りつつ、米大使館員が国外退去するから攻撃等するなと最低限の連携を取りつつ、作戦を進めたようです
バイデン大統領は、作戦終了後直ちに米軍の行動に感謝する声明を発表し、同時には「私は米大使館員の類まれなる任務への貢献、それを支えた勇気とプロ意識、彼らが体現したスーダン国民との友情と絆を誇りに思う」と大使館員にメッセージを寄せ、Mark Milley米統合参謀本部議長は「大使館員を無事に国外脱出させた比類なき米軍兵士の技量に感謝する」と声明を出しています
更にバイデン大統領は、同国に残されている約1万6千名の米国一般人のスーダン国外退避を支援している専門チームからの情報を逐次受け、「(一般米国民のスーダン国外への避難を)可能な限り支援する(assist remaining Americans in Sudan “to the extent possible)」と述べています
しかし現実は厳しく、米国政府関係者は、残されている16000名の米国民の国外退避を支援する「大規模な作戦:a broader evacuation mission」は、情勢があまりにも厳しく実施不可能だ語ったと記事は紹介しています
米国務省のMolly Pheeアフリカ担当次官補は、スーダンの米国大使館を離陸したヘリ3機は、エチオピア政府の許可を得て、スーダンから場所非公表のエチオピア国内の飛行場にいったん着陸し、同飛行場で給油を受けたと明らかにし、他にジブチとサウジ政府の支援を得て実施した避難作戦だったと語ったようです
米国大使館員が米軍によって国外退避することは極めて珍しい事象で、2021年にアフガニスタンから米国民が緊急退避した以外は、ほとんどのケースで米大使館員は民間輸送手段でこれまでは任国から国外退避してきたとのことです
まぁ・・・米国政府として全力を尽くしたことは間違いありませんし、これ以上どうしようもなかった状況だったと思いますが、後々様々に議論されるであろう米国大使館員約70名のスーダン脱出作戦を速報でご紹介しておきます
アフガニスタン緊急避難作戦
「アフガン避難民輸送作戦」→https://holylandtokyo.com/2021/08/25/2158/
「C-17輸送機1機に823名も」→https://holylandtokyo.com/2021/08/22/2152/
アフガン避難関連
「約2万名の避難民が米軍基地に」→https://holylandtokyo.com/2022/01/18/2606/
「米本土米軍基地に避難民5.3万人」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-26
「通訳1.8万人を特別移民認定へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-26
「タリバンに渡った米国製兵器」→https://holylandtokyo.com/2021/08/31/2175/