標高750mに2019年11月以降に建設か?
同敷地には台湾方面監視レーダーが既に存在
日本全域を監視範囲に収め、宇宙状況把握にも使用可能か
日本は弾道ミサイルを保有していませんが・・・
4月18日付Defense-Newsが、商用衛星で2022年2月に撮影された写真を用い、山東省(山東半島やチンタオがある)中心部の標高750m付近に大型の弾道ミサイル監視レーダーが新設されていると報じ(左写真左が2018年6月、右が2022年2月撮影)、台湾方向を向く既存同型レーダーと共に監視体制を強化していると紹介しています
記事は当該弾道ミサイル探知追尾用レーダーを「LPAR:Large Phased Array Radar」と呼び、性能の細部は不明ながら、同形状で同規模の米軍AN/FPS-115はレーダー正面120度範囲を3000nm(5600㎞)監視できると紹介しています
ちなみに新レーダーのある山東省中心部から、ソウルが約800㎞、福岡市と台北市が共に約1100㎞、東京やフィリピンのルソン島北部までが2000㎞で、朝鮮半島と日本列島4島全域を物理法則からするとカバーできることになります
また米軍AN/FPS-115レーダーと同程度の傾きを持って設置されていることから、宇宙監視にも応用可能だろうと記事は推測しています
新レーダーと同じ場所に隣接設置されてる既存の台湾方面向きレーダーは2013-2014年に建設されており、その他にも同種レーダーが、北朝鮮北方でロシアに接する黒竜江省(左の図)に朝鮮半島と日本方面向きに、台湾北方の浙江省にも台湾向きに設置済だそうです。更に新疆ウイグル自治区には、インド向きで同種レーダーが存在しているとか
確か中国は、米軍が韓国にTHAAD用レーダーを配備しようとした際、中国本土が監視範囲に入って許せないと韓国に嫌がらせしていますが、中国自身もしっかりやることをやっております
それにしても、日本は弾道ミサイルを保有していないのに、中国はいろいろ考えているのでしょうか?
ちなみに、台湾でも米国の援助を受け、AN/FPS-115レーダーを発展させた「世界最強」級のミサイル監視レーダーが2013年頃には稼働し始めています。台湾の「Hsinchu」近郊「Leshan Mountain」に設置されたレーダーで、目標の大きさにもよりますが、巡航ミサイルや弾道ミサイルを3000km遠方から探知できるとの米軍需産業関係者の話が当時報道されています
山東省中央部に設置の新レーダーは、「北緯36°01′30″」「東経118°05′31″」で標高2300フィートに所在しているとのこと、ご興味のなる方は、ぜひ公開情報で現物をご確認ください
AN/FPS-115発展型の台湾「世界最強」級ミサイル監視レーダー
「台湾の巨大な中国監視レーダー」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2013-11-28
アラスカに2021年末に設置で試験中の巨大BMDレーダー
「BMD用の巨大新型レーダーLRDR完成」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-08