ロシアが千島列島中部に対艦ミサイル配備

2016年の択捉島への配備に続き
かつて日本軍が使用し、戦後ソ連軍が占領した火山島の松輪島
ソ連崩壊で1991年にいったん放棄も、再び軍備化進むか

Russi Matua2.jpg12月2日、ロシア海軍太平洋艦隊が、千島列島中部のマトゥア島(松輪島:全長11㎞の楕円形で、松輪富士と呼ばれる美しい活火山が中心の島)に地対艦ミサイル「バスチオン:Bastion」を実戦配備したと発表しました

ロシア軍が公開した映像では、断崖が多い同島の数少ない浜辺に着上陸用舟艇が同ミサイルと見られる装備を陸揚げする様子が紹介され、併せてロシア軍が兵士が居住する兵舎やミサイル格納用のハンガー等を準備すると発表したようです

Russia Matua.jpgなお、松輪島は日本領である北方4島とは異なり、国際法的に帰属未定の地であると日本政府は主張していますが、ロシア連邦が実効支配している状態の島です

バスチオンは、ロシア製の沿岸防衛用地対艦ミサイルシステムで、水上艦を沿岸から攻撃することを目的としており、ロシアが実効支配する北方領土の択捉島にも2016年に配備済みで、インタファクスは今回、その射程を最大500キロと報じています。なお択捉島配備時には、射程約330㎞と言われていました

bastion P-800.jpgちなみに択捉島には、長射程のバスチオンの他に、短距離地対艦ミサイルBal(ロシア版ハプーン。射程130㎞程度)や小型偵察用無人機Eleron-3(全長1m程度)や、地対空ミサイル部隊も配備され、戦闘機の展開も行われています

今回のマトゥア島(松輪島)への地対艦ミサイル配備は、ロシアの戦略原潜の聖地であるオホーツク海を、米海軍のプレゼンスから守る姿勢強化と考えられますが、太平洋戦争当時は日本海軍が約8000名の守備隊を置き、南東部に飛行場も設置されていました

bastion P-800 2.jpg戦後ソ連の国境警備隊が駐留しましたが、ソ連崩壊の混乱と財政難で1991年で撤退し、無人島になりました

その後は2000年代には、日・米・露共同の火山学・津波地質学・人類学の研究者らが何度か上陸して調査活動を行う程度でしたが、近年ロシア軍が千島列島を見直す動きが始まり、2016年のロシア国防省とロシア地理学協会の合同調査で、同島沿岸の水中でゼロ戦らしき航空機が発見されています

Matua.jpgただこの松輪島は活火山で、20世紀に入って以降だけで、1923年、1930年、1946年、1960年、1976年、1981年、1987年、1989年、2009年に噴火しており、1946年11月の大噴火では島の植生が完全に破壊され、2009年の大噴火でも噴煙により航空交通が大混乱になっています

今後、北方4島を含む千島列島全体へのロシア軍の進出がどう進んでいくのか全体構想を把握していませんが、中国に注目が集まる中、ロシアもヒタヒタと好きなようにやっています

2016年にバスチオンが配備された際の記事
「露が択捉島に対艦ミサイル配備」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-03-26

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