米空軍研究所が衛星延命技術の民間企業と提携

DARPAとドッキング軌道上げSpaceLogistics社との協力に続き
軌道上燃料補給のOrbit Fabと技術共有合意契約を
日本人CEOのAstroscaleとも協議中らしいです

Orbit Fab.jpg10月14日、宇宙軌道上で衛星とドッキングして「燃料補給」を行うOrbit Fab社が、米空軍研究所と研究開発合意契約(CRADA:Cooperative Research and Development Agreement)を結んだと発表し、同社が衛星とドッキングして燃料補給に使用する「バルブ」技術等について、軍用衛星への使用について確認改良に取り組むと明らかにしました

人工衛星は多くの場合、搭載燃料が枯渇することで搭載機材が動作停止に至ったり、軌道修正が出来ずに高度が低下して機能維持が不可能になることで寿命を終えるのですが、様々な手法で高価な衛星を延命して有効活用する試みを民間スタートアップ企業が開始し、国防省機関との協力が始まっています

Orbit Fab2.jpg2020年2月には、Northrop Grumman 傘下のSpaceLogistics社の衛星が、インテルサット通信衛星とドッキングして軌道高度を再浮上させて延命作戦に成功とのニュースが大きな話題となり、併せて、SpaceLogistics社と国防省DARPAが衛星の軌道上修理体制構築に向けた協力すると発表され、この分野が注目されているところです

本日はOrbit Fab社と米空軍研究所の契約の件と合わせ、日本人が創業者でCEOを務めるAstroscale社も近い将来に国防省と仕事を開始しそうなのでご紹介しておきます

12日付Defense-News記事でOrbit Fab社の件
Orbit Fab4.jpg●14日Orbit Fab社は、米空軍研究所のSpace Vehicles Directorateと研究開発合意を締結したと発表し、燃料を軌道上で提供するインターフェース技術等について、空軍と共有すると明らかにした
●同社は既に米空軍研究所と、補給に使用するバルブの宇宙飛行審査契約約3億円で協力関係にあり、空軍が同社の技術を確認し、軍用に必要な改修をするため、空軍施設を同社が利用することになっている

●米空軍研究所の担当責任者は、「同社は軌道上燃料補給のリーダー的企業で、大幅な衛星延命や機動性向上、更に新たな任務オプションを提供してくれる」、「空軍宇宙アセットの再利用を可能にすることで多大な恩恵を得ることを可能にしてくれる」と合意締結の意義を声明で述べている
●なお同社の技術は大きな期待を集めており、9月にはロッキードやNorthrop Grumman社等から、約10億円以上の投資を得ることができたと明らかにしている

日本人が創業者CEOのAstroscale社
(2020年6月のC4ISRnet記事より)
Astroscale.jpg●日本を拠点として米国にもオフィスを持ち、日本人が創業者CEOのAstroscale社は、低高度軌道(LEO)の宇宙デブリ除去を行う企業として知られ、2020年にも同社衛星が宇宙デブリを捕まえて軌道から除去するデモを予定している
●そのAstroscale社が、静止軌道上の衛星の延命措置を行うイスラエルのスタートアップ企業Effective Space Solutions(ESS)を全従業員も含めて買収し、Astroscale Israel社として再スタートさせた

●これにより同社は、低高度軌道のデブリ除去技術と、静止軌道GEO上の衛星延命という2つの技術を融合し、全ての衛星軌道における総合サービス提供企業として、将来的には、軌道上での衛星への燃料補給、衛星修理、機能向上、軌道高度上昇、宇宙状況認識確保、軌道上での衛星製造までを含む総合宇宙兵站サービスを志向する
Astroscale2.jpg●ただ当面Astroscale社は、顧客衛星に同社衛星をドッキングさせ、推進力を与えて燃料切れ状態を補うことで衛星の延命を図る事業に専念する方向であり、買収したESS社の衛星(Space Drone platform)を衛星延命用プラットフォームとして使用する予定である

●同社米国法人のRon Lopez社長は、(2月にドッキングによる衛星延命に成功し、DARPAと衛星の軌道上補修検討を開始したSpaceLogistics社がライバルであるが、)複数の米国政府機関とも協議をし、国防省にも提案を行っている中で、国家機関の民間企業技術への関心が極めて高いことを感じている、と自信を示している

Astroscaleのwebサイト
(本社は錦糸町でCEOも日本人:のぶお・おかだ氏)
https://astroscale.com/ja/#
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Orbit Fab3.jpgググってみると、Orbit Fab社は2019年6月に国際宇宙ステーションISSで、水を燃料に見立てて衛星への燃料補給事実験に成功しているようです。そのほかこの分野には、インドのベンチャーも挑戦しているとか

日本拠点のAstroscale社の件は、注目企業としてOrbit Fab社の記事の中でも紹介されており、米国防省や米軍で注目の企業であることは間違いありません。
同盟国として、民間企業からも協力関係を強化できればいいですね!

SpaceLogistics社がインテルサット衛星を革新的手法で
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