中国版SU-27であるJ-16戦闘機を改良したJ-16D
米軍の電子戦機体系と同等の方向目指すとの推測アリ
複数の異なるポッドを搭載する模様
24日付 Thedrive.com/が、中国Zhuhai航空ショー(9月28日から10月3日開催)に、中国空軍の新型電子戦専用機J-16Dが展示されると紹介し、その外観から細部不明の性能等を推測しています。
Zhuhai航空ショーは、1996年から隔年で開催される中国航空産業の一大イベントですが、開催年であった昨年2020年はコロナのため延期され、1年遅れで2021年開催になったところです
外観から見たJ-16Dの特徴等は
●J-16戦闘機と比較して、
・ 両翼端に電子戦用POD搭載(EA-18GのAN/ALQ-218と同様に、高性能のパッシヴセンサーと推測)
・ 翼下2か所と胴体下部側方2か所に計4つのPOD(少なくとも3つは異なる外観のPODで、EA-18Gと同様に対象周波数帯別に複数のPODを用意していると推測)
・ その他、機体外部に多数のアンテナ構造物付加
・ 機体先端のレドームが短く小型→おそらく新型AESAレーダーが搭載
・ キャノピー前方にあったIRST装置が無くなっている
・ Gunが無くなっており、同スペースに電子戦装備を搭載したと推定
・ 中国空軍機である標識がぼかして機体に描かれ、製造番号「1090」から第1機製造機体の9番機
現地取材Joseph Trevithick記者の所見
●米空軍の運用構想として、F-35やF-22が突破型ジャマーとして活動するのを、少し遠方からEA-18Gがサポートする運用を一つの形とし、側面からスタンドオフジャマーEC-130や、局所的な補完としてスタンドイン使い捨てジャマーMALD(Miniature Air-Launched Decoy)の投入が考えられるが、中国も同様の装備体系を目指していると推定される
●EA-18Gが高周波用と低周波用の2種類の外装POD(AN/ALQ-99)を保有し、更に中間周波用ポッドを開発中であることから推測すると、J-16Dも敵の火器管制用高周波を狙ったPODと、通信周波数用のPOD保有が考えられ、更には空中から防空や通信システムへのサイバー攻撃を狙ったPOD開発も考えられる
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今回の航空ショーの別の目玉として、RQ-4のようなジェット推進高高度無人機WZ-7や、J-20ステルス攻撃機の登場も予期されているようです
目玉として登場する新装備は、全てサイバー窃盗の「成果」の様な気がしてなりませんが、今後の西側の情報収集により、その実力のほどが明らかになることを期待いたします
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