米空軍爆撃機は今後5~7年間の管理が悩ましい

B-21の初飛行&導入開始とB-1やB-2の段階退役タイミング
併せてB-52のエンジン換装などによる非稼働機発生
一方で維持整備費の縛りから4機種同時運用は困難で

Mitchell Ins2.jpg14日、米空軍協会のイベントに米空軍司令部計画部長David Nahom中将が登場し、B-21爆撃機開発が順調に進む中、B-52の延命に備えたエンジン換装やアビオ近代化改修等を進めながら爆撃機戦力を維持し、一方で限られた維持整備費の中で引退を見据えた維持費が高いB-1とB-2爆撃機をどう扱っていくかが、今後5-7年間の大きな課題であり懸念事項だと語りました

米空軍は、機齢60歳以上のB-52をあと30年程度は使用する方向で、B-52を前線任務から外してエンジン換装等を開始する一方で、部品の枯渇や維持費高騰で維持が難しくなったB-52より若いB-1やB-2爆撃機を先に引退させる方向を決定しています

B-21 artistic.jpgそして今年末から2022年に初飛行と言われているB-21爆撃機の導入に合わせ、B-1とB-2爆撃機を順次退役させる計画ですが、いくら順調とは言え「新規開発もの」であるB-21の導入ペースや、B-52改修ペースをどのように設定し、ただでさえ厳しい維持整備費の中でB-1とB-2を何機維持するかが悩ましい課題となっているようです

米空軍はB-52を75機維持し、これに100機のB-21を新規導入して爆撃機175機体制を確立したいと数年前は主張していましたが、最近では計220機の爆撃機体制が必要で、B-21を追加調達する必要があると主張し始めていることも、複雑なパズルをより複雑にしています

15日付米空軍協会web記事によれば
Nahom2.jpg●Nahom計画部長はミッチェル研究所主催イベントでB-21の開発状況について、「遠くない将来(not-too-distant future)に初飛行を行う」と期待を示す一方で、「そうなれば、米空軍は4機種の爆撃機を同時に飛行させることになるが、現在の維持整備費の枠内ではそれはできない」と悩ましい状況に言及した
●そして「B-21が導入されるにつれ、B-1とB-2を退役を進め、B-52とB-21の2機種で爆撃機部隊を編成することになる」との構想を改めて説明した。またB-52には大規模な近代化改修を開始しており、エンジン換装、アビオ更新、更には新しい「digital backbone」の搭載を進めているが、改修作業の期間は部隊配備機数が減少すると述べた

B-2 below.jpg同部長は続けて、「爆撃機部隊に関する私の一番の懸念は、今後5-7年間のB-21導入とB-1やB-2退役のタイミングの計り方である。前線投入可能な戦力の維持と維持費枠の縛り、新造機の導入ペースをうまくバランスする必要があるからだ」と説明した
退役を開始しているB-1の状況について同部長は、早期退役第1弾の17機は既にDavis-Monthan空軍基地の「機体管理地:boneyard」に移動し、残りの45機が半分づつEllsworth空軍基地とDyess空軍基地に配備されていると説明した
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改めて、B-1とB-2がB-52より早期引退する理由
(前はB-1とB-52を2040年、B-2を2058年まで使用する計画だったが)

●B-1とB-2は、部品製造企業が次々に撤退し、部品確保が困難で維持費が高騰
●B-1は戦略兵器削減条約で核巡航ミサイルを搭載不可となり、任務が限定される
●特に保有20機以下のB-2は部品の「共食い」で維持する状態で、2058年までの維持など不可能
●またB-2のステルス突破力は、間もなく通用しなくなるとの脅威見積りアリ

色々難しいのでしょうが、B-21が無事に予定通り完成することが何よりの対策です! 武運長久を祈ります

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