米空軍が航空機維持費増で飛行時間削減へ

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航空機の高齢化で稼働率低下も
海外作戦減少気味も老齢機多数で維持整備費高騰

F-35 Greece4.jpg22日、米空軍作成部長や計画部長が上院軍事委員会で証言し、航空機の維持整備費増加などが要因となり、航空機の飛行時間予算を削減せざるを得ない状況にあると訴えました

昨年、交代直前のGoldfein空軍参謀総長は、過去数年の平均月間飛行時間は17.8時間であったが、19-21時間程度の回復しつつあるとも語っていましたが、機体平均年齢28歳と米空軍航空機の老朽化やF-35の維持費高止まり、更には新型機の当初維持整備が契約企業委託で高価なこともあって予算全般を圧迫し、飛行時間予算を削減せざるを得ない状況にあるようです

説明が複雑になりますが、航空機の老朽化により、単純に稼働率が低下して飛行できない航空機が多くなっていることも、飛行時間が伸びない原因の一つと考えられます

F-15EX 3.jpg2022年度予算案に付属する米空軍の資料によると、年度別の飛行時間は2020年以降減少傾向にあり、2020年1.33million時間が、2021年が1.24、2022年はこれが1.15まで減少するようです

この上院軍事委員会証言を紹介する23日付Military.com記事も、飛行時間減少の原因を整理して説明できていませんが、維持整備費の増加で飛行予算を削減せざるを得ず、その背景には航空機の老朽化や導入初期新造機の維持費高騰やF-35(保有機数米空軍で第2位)の高止まりがあるとのことで、中東での作戦減少でも埋め合わせできないということでしょう

突っ込んで空軍幹部の思いを代弁すると、老朽機が多くて維持整備費が膨張しているのは、老朽機(A-10やRQ-4やKC-10など)を早期退役させ、将来投資に振り向けたい米空軍の意向を米議会が聞き入れず、老朽機が所在する選挙区に落ちる税金や雇用を守る狭い了見の議員の責任だと言いたいのでしょう・・・

ただ、米空軍も高価なF-35運用費用に向き合う必要があり、同時にその能力を最大発揮させる訓練は実飛行訓練では難しい現実も踏まえて、費用が安価なシュミレータ訓練時間を増やすなどの検討を本格的に進める必要がありましょう

以下では23日付Military.com記事から、米空軍幹部の発言を細切れながらご紹介しておきます

23日付Military.com記事によれば
Nahom2.jpg米空軍計画部長のDavid Nahom中将は、2022年度予算では、前年より約87500時間飛行時間を削減しているが、これは年間1100億円にまで増え続けている維持整備費の増加を賄うためだと説明した
またこの維持整備費の増加は、平均年齢が28歳と高齢化する米空軍機から来ていると説明した(ちなみに、米陸軍は15.3歳、米海軍は14.4歳、豪空軍は8.9歳、英空軍は16.6歳

また新規導入機は、その運用開始当初に企業からの整備支援を受ける必要があり、維持整備費が高価となっている。ただ、新型機は導入初期を乗り切れば維持費は低下し、稼働率も上昇するので飛行時間を効率的に確保可能となる、とも補足した
米空軍作戦部長のJoseph Guastella中将は、共和党議員からの追加予算で状況は改善するかとの質問に対し、維持整備費や飛行時間費への追加予算は米空軍にとって非常に価値の高いものとなると答え、現在の飛行時間は操縦者の技量維持のための最低レベルにあると説明した。また維持整備費増額は航空機稼働率を上げて飛行時間増にも貢献すると述べた

Guastella.jpgまた作戦部長は、コロナで一般企業(航空会社)がダメージを受け、空軍パイロットの退職者数は減少したが、飛行時間が増加していない状況を、技量面でのリスク増の面と、職務への満足度の点で問題視していると説明した
更に作戦部長は、第5世代戦闘機の高価な飛行時間当たり整備費用の問題に触れ、実飛行時間とシュミレータによるバーチャル訓練バランスを図ることが重要だと表現し、F-35操縦者養成コースでシュミレータ訓練を増やして試行している点を説明した

なお、F-35の時間当たり維持整備費は、現状35000ドル/時間で第4世代機の2倍以上で、これを25000ドル以下に2025年までに引き下げる目標を掲げているが、様々なタイプのF-35が存在して維持整備が複雑になっており、加えて最新型Block4の導入も予定されていることから、削減目標達成は困難と考えられている
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F-35 luke AFB.jpg国防予算が良くて横ばいだと予想される中、確実に必要予算が膨張する構図で各軍種が突き進んでおり、各年度ぎりぎりになって、または予算枠が決まってから慌てて修正するとの「行き当たりばったり状態」が続いています

中国に「手の内を隠す」配慮もあるのでしょうが、陸海空海兵隊宇宙軍を束ねた交通整理が必要です。残念ながら、新政権になっても、その気配は全く感じられません。月並みなコメントですいません

米空軍の戦闘機構成議論
「戦闘機の近未来体制は」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/
最近のF-35
「ODINの開発中断」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-04-24
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07

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