トルコへの制裁で世界の国が手を引く中
ドイツ製パーツに手を加えて制裁規定を逃れるとか
8日付Defense-Newsは、トルコの装甲車両製造企業BMC関係者が匿名でDefense-Newsに語った内容として、トルコが1990年代から取り組んできた「Altay 戦車」に、韓国企業がエンジンとトランスミッションを提供することになったと報じています
「Altay 戦車」のエンジンやトランスミッションについて、トルコはドイツ製MTU engineとRENK transmissionを希望していましたが、欧州諸国がシリア内戦に関与しているトルコへの輸出制限を課していることから、話がとん挫していたところです
だからと言って韓国企業が自国製の戦車用エンジンを提供するのではなく、「韓国企業が戦車エンジン用のドイツ製パーツを非ドイツ化して(South Korean companies will “de-Germanize” some German components)ドイツ部品の輸出制限を回避する」と関係筋は語っているようです
記事はまた、韓国自身も自国開発の「K2 Black Panther戦車」量産に関し、エンジンとトランスミッション問題で着手が遅れていると伝えており、原因として韓国産のDoosan 1,500-horsepower engineやS&T Dynamics automatic transmissionが耐久性試験に合格できず、ドイツ製RENK transmissionと国産エンジンのハイブリッド型を追求しているところだと報じており、韓国軍需産業の複雑な内部情勢も背景にあるようです
韓国企業とBMCの契約は250両の製造と部品供給や維持整備支援を含み、うまくいけば18か月以内に「Altay 戦車」が提供開始できるとトルコ企業BMCは主張しているようです
「Altay 戦車」は2つのフェーズで製造され、最初のフェーズが250両で、その後発展的に改良し計1000両を製造したいとトルコ国防省は計画していると記事は報じています。
ただ、1990年代半ばから計画が始まった「Altay 戦車」計画では、トルコ国防省と連携して4種類のプロトタイプを準備してきたOtokar 社が最有力と考えれれてきましたが、2018年11月に選定でBMCに敗れる「どんでん返し」が起こり、トルコ国内で「Altay 戦車」は政治的紛争の種となっているということです
なぜなら、勝者BMCの有力後援者であるEthem Sancak氏が、エルドワン大統領等と同じ政党の有力者で、大統領と懇意な間柄だからです。
いろんな話が一緒になってしまいましたが、韓国企業は欧米諸国から制裁にあっているトルコへの軍事品輸出に手を出し、そのトルコ戦車はドロドロの象徴のような兵器だと「邪推」できます