今後FA-18かEA-18GかF-35Cパイロットに?
今頃になって初とは・・・・との感ありですが
10日、黒人女性が初めて米海軍の戦闘攻撃操縦コースを卒業し、今後FA-18やEA-18GやF-35Cパイロットになる道を切り開いたと米海軍が発表しました。
この女性は米海軍士官学校卒業生のMadeline Swegle中尉(バージニア州出身)で、写真のT-45C Goshawkでの戦術飛行訓練コースを無事卒業し、まもなく米海軍パイロットの証である「黄金色のウイングマーク」を授与されるとのことです
今後は当面、T-45C Goshawk飛行訓練を受けた同じテキサス州のKingsville海軍航空基地の飛行教育部隊に所属するとのことで、空母艦載機の部隊に配属されるのかはっきりしませんが、良いニュースの少ない米海軍がアピールしていますので取り上げ、以下では米海軍の女性パイロットの歴史や、米軍の女性戦闘パイロットの経緯をご紹介しておきます
10日付Military.com記事によれば
●2019年の米海軍提供データによれば、米海軍艦載機(FA-18、EA-18G、E-2C、C-2)における黒人パイロット比率は、僅か1.9%である
●また民間メディア調査によれば、2018年時点で、米海軍における女性パイロット数は765名で、全操縦者に占める比率は7%以下であった
●米海軍が女性パイロットを初めて登用したのが1973年で、選ばれた8名の中で初めて戦闘爆撃機のパイロットになったRosemary Mariner女史(故人)は、1974年にA-4CとA-7Eの操縦資格を獲得し、大尉でリタイアしている
●米海軍初の黒人女性操縦者は、1980年にウイングマークを取得し、後にC-1A空母着艦輸送機のパイロットとなったBrenda Robinson女史で、2008年退役まで米海軍で勤務した記録が残されている
米空軍や米軍全体では
●米国防省が、女性による戦闘任務飛行を初めて許可したのが1993年で、現在はアリゾナ州選出の上院議員として活躍しているMartha McSally議員が、1995年にA-10操縦者として初の戦闘任務飛行を遂行している。その後同議員は初の女性戦闘飛行隊長も務め、大佐の階級で退役して政治の世界に転身した
(なお同議員は2019年3月、米軍内での性的暴力問題を議論する議会の場で、現役時代に上官からレイプされたことを告白して大きな話題となっている)
●米空軍初の黒人女性戦闘機パイロットは、1999年にF-16操縦者となったShawna Rochelle Kimbrellで、2001年にイラクでの初実戦任務を経験し、現在も中佐パイロットとして勤務している
///////////////////////////////////////////////////
黒人の艦載機パイロットが2%以下とは・・・。どんな流れで要員選考を行うとこのような結果になるのでしょうか? 黒人兵士にとって、まだまだ艦艇航空の世界は閉ざされた世界なのかもしれません
ですから、黒人でかつ女性であるMadeline Swegle中尉の今後が、引き続きテキサス州の飛行教育部隊で勤務するとの「不可解」な進路で気になります。
米海軍としてはFA-18かEA-18GかF-35Cパイロットに育てないと話にならないでしょうから、慎重に進めるのでしょうか?
Swegle中尉の屈託のない笑顔が、今後も見られることを祈念せずにはおれません・・・
軍での女性を考える記事
「初の米空軍下士官トップにアジア系女性」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-06-20
「GAO指摘:女性の活用不十分」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-20
「初の歩兵師団長」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-10
「超優秀なはずの女性少将がクビに」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-11
「3軍長官が士官学校性暴力を討議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-10
「上院議員が空軍時代のレイプ被害告白」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空自初:女性戦闘機操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-25
「自衛隊は女性登用に耐えられるか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-10
「女性特殊部隊兵士の重要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-28
「Red Flag演習に女性指揮官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19
「米国防省:全職種を女性に開放発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-05
「ある女性特殊部隊員の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「珍獣栗田2佐の思い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-17
「2012年の記事:栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
米軍での性的襲撃事案多発を考える記事
「士官学校に改善の兆しなし」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-02
「米3軍の長官が士官学校でのセクハラ問題議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-10
「現役パイロット時に上官にレイプされた」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-08
「空軍士官学校の内通者が反旗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-10-1
「性犯罪対処室が捜査対象」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-04
「性犯罪は依然高水準」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-06-1
「暴力削減にNGO導入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-05
「国防長官が対策会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19
「指揮官を集め対策会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-04
「海軍トップも苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-20
「女性5人に一人が被害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-10
「空軍内で既に今年600件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19-1
「米軍内レイプ問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19
女性と徴兵制
「前線にも:イスラエル」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-27
「究極の平等:ノルウェー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「社会福祉選択肢もオーストリア」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22
関連の記事
「女性兵士の装具改善に時間必要」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-13
「今頃・・女性兵士にフィットした飛行服等に改良へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07
「女性初のF-35操縦者」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-08
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04