残るのは、B-2とF-16とF-15Eか
18日付Military.comは、米空軍が昨年9月、正式に重量投下型核爆弾である「B61-7とB83-1」をB-52に搭載しないことを部隊に指示したと報じています
実際には前線部隊では、数年前から重力投下型核爆弾を使用した訓練を止めて、脅威環境からすれば自然な流れと受け止められており、核任務については、現在唯一搭載可能な空中発射巡航ミサイル「AGM-86B ALCM」から、2030年初期に配備開始予定のLRSO(Long Range stand-off weapons)に引き継いでいく計画も建てられているようです
また米空軍は、超超音速兵器(hypersonic weapon)である「AGM-183A Arrow(Air Launched Rapid Response Weapon)」ミサイルをB-52内部爆弾庫に搭載し、昨年6月初飛行試験を行っており、2050年まで使用予定の「Big Ugly Fat Fellow」なB-52に期待するところは引き続き大です
18日付Military.com記事によれば
●米国科学者連盟(FAS:Federation of American Scientists)のHans Kristensen核兵器関連情報部長が13日の週にツイッターで、「B-52爆撃機は正式に重量化透過型核爆弾を運搬しなくなった」と明らかにし、米空軍の戦略爆撃機の安全に関する指示「Air Force Instruction 91-111」で「B61-7とB83-1」が搭載基準から昨年9月に削除されていると根拠を示していた
●17日、この指摘について米空軍のGSコマンド報道官はメールで、「近代戦の様相は変化しており、戦術や兵器も変化している。B-52は国家安全保障のツールとして、またエアパワーのシンボルとして、多様な兵器を搭載し、スタンドオフとそうでないもの、戦略兵器と通常兵器を運搬して国家に貢献する」、
●「多用途機であるB-52は、空中発射巡航ミサイルALCMで核抑止任務を継続している。このような状況下、自然な流れの中で、B-52爆撃機の搭乗員は、B61-7とB83-1搭載・投下訓練を行っていない」とコメントを明らかにした
●B-52が所属する第8空軍の広報担当は更に、「Air Force Instructionで正式化される数年前から、B-52は同核爆弾を搭載して訓練していない」と現場の実態を明らかにし、「B-52は空中発射巡航ミサイルを搭載し、引き続きスタンドオフ攻撃を担うアセットである。B-52爆撃機はB-61と B-83を今後搭載しないが、B-2ステルス爆撃機には引き続き搭載任務が付与されている」と述べている
●米空軍は75機保有するB-52の搭載兵器のグレードアップと共に、1機が8基搭載するエンジン(Pratt & Whitney TF33-P-3/103 turbofan engines)の換装を計画しており、今後5年間で約1500億円を投入して速やかに換装事業を進めたいと考えている
●ただし米議会は、換装事業計画の細部説明を受けて納得するまで、予算執行を認めない姿勢を示している
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B-52爆撃機が最後に製造されたのは1962年ですので、最も若い機体でも今年58歳を迎えます
ステルス機だ、無人機だ、超音速飛行だと騒がしい空軍の世界ですが、「Big Ugly Fat」なB-52に米空軍は、あと30年は現役で活躍することを求めています
老体に鞭打って頑張るB-52の話題を発見すると、まんぐーすは、なぜか取り上げたくなるのでした・・・
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