脱ファーウェイのため国産メーカー育成へ
超超音速兵器より5Gが優先だ!
13日、ハドソン研究所で講演した米国防省のMike Griffin技術開発担当次官は、ファーウェイでない国産5G技術育成のため、優れた民間技術のジャンプスタートを促すため、米国防省の管理している演習試験エリアを提供する準備があると語りました
同次官は、これまで超超音速技術開発だった最優先課題は今や5Gになったと語りその重要性を訴えましたが、一方で国防省にはこの分野で最先端を切り開く能力はなく、民間企業による開拓を期待するしかないと正直に認め、将来の国家安全保障に不可欠な5G開発を支援したいと述べました
「offer its infrastructure as test areas」が具体的に国防省や米軍のどの施設やエリアを示すものなのか不明ですが、政府や地方自治体の強化など複雑な手続きが不要なことで開発をでき、またエリアを分割することで複数の企業が技術情報朗詠を恐れることなく試験を行える等の利点も強調しました
米国も必死だということですが、米中関係の今後が不安定な中、この呼びかけにどれだけの企業や研究機関が手を挙げるのか良くわかりませんが、とりあえず最優先事項だということですのでご紹介しておきます
13日付C4ISRNET記事によれば
●Griffin技術開発担当次官は、国防省が5G開発を牽引する能力がないことを率直に認め、「民間企業の通信技術開発が遥かに進んでいることを承知している」と述べ、「民間通信企業のしっぽのノミ」ぐらいにはなりたいと努力しているところだ表現した
●そして同次官は、「国家安全保障のために同技術を国防省は必要としており、競争の激しい環境の中で技術の種が望む方向に育ち発展するよう支援する」と語った
●更に「各種試験やプロトタイプ試行を我々の施設で実施でれば、(広大な敷地を)複数の競い合う企業で分割して使用することで秘密保全を図れる。また、国防省試験場は地方自治体や国の許可が必要ないので、企業の研究開発の迅速化に貢献できる」と利点を説明した
●そして改めて「あくまで5G研究開発は国防省がリードするのではなく、国防省は開発の成果の良き利用者となる事を楽しみにしている」と仕組みを説明した
●同次官の下で現在は1名の補佐官が5Gを担当しているが、今後間もなく新たな組織を編成し、AIや超超音速兵器のような体制で対応すると同次官は述べた
●講演に対して記者団から、5Gがマイクロウェーブ兵器に対し脆弱な点を指摘された同次官は、指摘に同意しつつ、その問題点を見極めて対応を考えることが必要だと応えた
●最後に同次官はファーウェイを意識しつつ、重要な信頼できる通信を確保するためは、信頼できないネットワークやハードを使用できるか?、と述べ、国産5G技術開発の重要性と国防省として開発を支援する意志を打ち出した
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5Gの重要性を十分に理解していないのですが、技術開発担当次官が超超音速兵器より重要と明言するのですから、その覚悟の程が伺えます
反面、国防省として支援できることは何でもやるとの悲壮感も感じられ、ファーウェイの技術力の高さを改めて感じさせます
不謹慎ながら、この必死さは、日本から輸出管理を強化され、必死で突っ張っている韓国のイメージとダブってしまいます。もちろん韓国ほど悲観的ではないでしょうが・・・
米中関係を考える記事
「米軍トップが中国脅威を強調」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-14-1
「米国防省と米軍2トップが陸軍出身へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-20
「中国がレアアース輸出規制へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-07-06
「CSBA対中国戦略レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
「2019年アジア安全保障会議」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1
「2019年中国の軍事力レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-06
「グーグルからAI技術流出」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-31-1