海兵隊のF-35軽空母推進構想の具現化
通常の倍の10機を搭載し
米海軍が空母削減方向の中で
3月末、米海兵隊の強襲揚陸艦「Wasp」が「航行の自由作戦」の一環として南シナ海を通過してフィリピンに入港したようですが、初めて垂直離着陸型F-35Bを搭載して同海域を通過し、更に通常の倍の10機を搭載して同作戦を行ったことで、米海兵隊が2017年に掲げた「Lightning Carrier」構想の具現化と話題になっています
南シナ海では、朝鮮半島問題の騒ぎに乗じて中国による埋め立てが完了し、地上部分の軍事施設も滑走路やレーダー施設だけでなく、航空機格納庫や地下弾薬庫、更には電波収集用の巨大アンテナや地対空ミサイル配備施設まで、考えうる全てのやりたい放題もほぼ完成してしまっています
そして今は、南沙諸島で2番目に大きなフィリピンが実効支配している「Thitu island:パグアサ島」に対し、数百の中国小型ボートが押し寄せ、フィリピンの守備隊約30名とフィリピン島民約100名を威嚇を始めている事態となっているようです
本日は、南シナ海の無法地帯ぶりは脇に置き、米海兵隊の強襲揚陸艦活用事例と試みについてご紹介します
5日付Military.com記事によれば
●米海軍と海兵隊は、強襲揚陸艦をミニ空母として活用するコンセプトを試し始めたようで、関係国の係争が続く南シナ海を、通常よりF-35B多い10機も搭載した艦艇が3月末に初めて通過したようだ
●米海軍公開の写真によれば、同艦艇は別にオスプレイ4機も搭載している模様で、現在フィリピンで着上陸、実弾射撃、都市戦、対テロ戦、航空戦などを訓練中である。F-35Bがこの種の演習に参加するのも初である
●この強襲揚陸艦用コンセプトは数年前から議論していたもので、強襲揚陸艦を軽空母運用するもので、米海軍が空母トルーマンを寿命半ばで早期退役させる案を持ち出し中で、大型空母を補完するものとして注目を集めている
●米海兵隊は「The Marine Corps’ 2017 aviation plan」の中で、米海軍の大型空母にとって代わることはないが、その補完として柔軟な運用を様々に想定するとして、「Lightning Carrier」との項目を立ててその構想を描いていた
●そのPlanの中では、「強襲揚陸艦の特性をフルに活用して統合戦力に新たな能力を提供する」、「強襲揚陸艦に16-20機のF-35Bと空中給油能力機を搭載し・・・」との構想が表現されている
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自己防御能力が限られる強襲揚陸艦が、16-20機のF-35を搭載して戦力になるのか???・・・との疑問が浮かびますが、米海軍艦艇や空母戦闘群と連携して安全を確保しつつ・・・ということなのでしょうか?
海自の「いずも」も、この流れに巻き込まれたのでしょうか???
話題に上ることが少なくなった「南シナ海」ですから、米海兵隊の地道な取り組みに敬意を表したいとは思いますが、中国のやりたい放題の前に無力感が漂う今日この頃です・・・
トランプの思い付きに期待するのは危険な考え方なんでしょうねぇ・・・
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