F-15EXはF-35機体価格より少し安い程度
(F-15XはF-15EXが正式呼称らしいです)
しかし維持費は半分以下で、2倍以上の寿命がある
14日、ダンフォード統合参謀本部議長が2020年度予算関連の審議の一環で上院軍事委員会で証言し、戦闘機の量を確保するためマティス前長官の指示でF-15EX導入が決定されたこと、2020年度予算案に約1100億円で8機購入予算を盛り込んだこと、維持費と寿命でF-15EX導入を決めたこと等を説明しました
これまでもF-15EX導入の背景や理由をご紹介してきましたが、いずれも米空軍幹部からの説明で「歯切れが悪く」、空軍長官は「米空軍外の決定である」とそっけない言及でしたので、米空軍に冷徹な目を持つ統合参謀本部議長の説明で「すっきり」していただきましょう
また、将来的な購入規模に関しても紹介が記事にありましたので、ご紹介しておきます。いいんじゃないですかねぇ・・・これで
14日付米空軍協会web記事によれば
●ダンフォード統合参謀本部議長が議会で、現在の米空軍戦闘機部隊の能力と規模不足を踏まえ、更にF-15EXのトータルな経費を勘案し、マティス前長官の決定によって2020年度予算に約1100億円のF-15EX予算が計上されたと述べた
●また決定は、戦術作戦機の将来ニーズ分析によって示された米空軍作戦機と弾薬不足を埋める必要性から行われたと説明した
●更に議長は、「現在使用しているF-15Cが2027-28頃に退役のタイミングを迎えることから、今後10-15年間のオプションを考えた場合、F-15EXがF-15Cの後継としてベストな選択だ」と説明した
●また「いずれは全機をF-35でまかなう方向に向かうが、今はコスト面と量確保の面から、近未来においては混合編成が正しい選択だと判断した」とも説明した
●更に議長は「機体価格面でF-15EXはF-35より少し安価な程度だが、維持運用経費面ではF-15EXはF-35の半分以下である。更に機体寿命面でF-15EXはF-35の2倍以上である」と背景を説明した
●一方で「米空軍の将来の主力戦闘機はF-35であり、彼らはそこから離れることはない」とも申し添えている
●米空軍は今後の5か年計画で80機のF-15EXを購入し、最終的には144機を調達する計画を作成している
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ダンフォード議長の最後の言葉、「米空軍の将来の主力戦闘機はF-35であり、彼らはそこから離れることはない:The primary aircraft of the future for the Air Force is the F-35, and they’re not walking back off that program」は、多少米空軍を突き放した言葉のような気がします。
統合のトップなら「我々はそこから離れることはない」と言ってもおかしくないのに、あえて「彼らは・・・」との言葉を使ったあたりに「突き放し感」を感じます
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