米空軍が軽攻撃機2機種をお試し購入へ

数機づつ購入し、同盟国や海兵隊を交え試験とか
まだまだ本格導入決定には時間が
light attack.jpg13日、Goldfein米空軍参謀総長が上院予算小委員会で、2機種の軽攻撃機候補(A-29 Super Tucano とAT-6 Wolverines)を数機づつ購入すると証言し、海兵隊や同盟国と共にニーズや性能を見極めると説明しました
軽攻撃機の購入検討は対テロ作戦など対空脅威の厳しくない環境では、F-16やF-35など運用経費がかさみ機体の維持整備が大変な機体より、安価なプロペラ機が向いているのでは・・・との発想から生まれたもので、過去にも何回も取り挙げられているようです
米空軍は昨年初め、数機の候補機種のデモンストレーション飛行の場を設け、そこで当該2機種に絞って更に検討を行うとして今日に至っています。見た目はプロペラ機ですが、データリンクを供え、精密誘導兵器を運用し、グラスコックピットで・・・等々のハイテクプロペラ機が想定されています
空軍参謀総長は「通常5-10年必要な検討プロセスで、まだ2年目だ」と結論を急がない方針の様ですが、議会などからは「優柔不断だ」「F-35に拘りすぎ」等の批判が出ているところです
13日付Defense-News記事によれば
Goldfein1-4.jpg●同参謀総長は議会で、両機種用の小さな運用部隊を戦術開発部隊があるネバダ州ネリス空軍基地と、空軍特殊作戦コマンドが所在するフロリダ州Hurlburt Field空軍基地に置く計画だと説明した
●米空軍報道官は「各機種2-3機程度購入する方向だ」としているが、参謀総長は「具体的機数は未定で、価格による」と議会では証言している
●また同大将は「既に米海兵隊からは購入評価に加わりたいとの意向を聞いており、他にも(軽攻撃機を共に運用する可能性の高い)同盟国等にも参加を呼びかけ、米空軍のできる範囲でインターオペラビリティー進化のための試験を進めたいと考えている」とも述べた
●機体購入予算は過去年度の余剰予算を中心に考えられており、2018年度余剰から70億円、2019年度余剰から110億円、2020年度予算からは40億円程度を拠出したい意向で議会の理解も得られている模様
light-attack.jpg●同大将は購入機種決定や要求性能決定時期を、2022年から24年ごろに設定していると説明している
●しかし議会内部には優柔不断な空軍の姿勢に批判もあり、共和党のJerry Moran上院議員は「米空軍は既に300機の軽攻撃機導入の必要性をまとめた報告を作成しており、結論先延ばしは空軍が精神分裂症に陥っている証拠である」と批判している
●これに対し空軍参謀総長は「通常の機種選定や要求性能検討には5-10年が必要であり、判断な種々のデータ収集に必要な期間だ。空軍はまだ2年しか使っていない」と述べた
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もちろん新たな機種を加えることは、維持整備要員の確保や部品のサプライチェーン確保など大きな負担を担うことになるのですが、これだけ慎重に進めているのはトランプ政権の海外関与姿勢の将来が見えにくいからでしょう・・・
中東からも朝鮮半島からも・・・、軽攻撃機を導入しても、使い道が亡くなっては無駄ですから・・・
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