イージスアショア用レーダーの原型開発順調

日本のAEGIS Ashoreレーダーの原型とか
LRDR3.jpg7日、ロッキード社の新型弾道ミサイル探知用レーダー(LRDR)計画部長であるChandra Marshall氏がNew Jersey州の開発拠点で記者団に対し2020年にアラスカに配備予定の同レーダーの開発は順調で、維持整備のためにレーダー全体を運用中断する必要のないレーダーになると語りました
またこの大型LRDRレーダーの基本原理は、日本に配備予定のイージスアショアのレーダーや、ハワイに配備予定のレーダーの原型となるものだと明らかにしました
目標探知追尾用電波を送受信するレーダー表面を多数のブロックに分割し、全てのブロックを同時に停止しなくても部品の交換や整備が可能になるとのことでした。
そんなに目新しい気もしませんが、日本配備のイージスアショアの原型とのことで取り上げておきます。つくづく、この分野は日本のメーカの方が2~3歩進んでいるような気がしますが・・・
9日付Defense-News記事によれば
LRDR2.jpg●7日ロッキードは、巨大な弾道ミサイル対処用LRDR(Long-Range Discrimination Radar)の開発が、2020年のアラスカ配備に向け順調だと明らかにした
同年アラスカ州Clear空軍施設に配備される予定のLRDRは、 New Jersey州Moorestownのミサイル防衛庁施設で開発試験中で、アラスカの施設では9月から受け入れ準備工事が始まっている
●開発中のLRDRは、10月に宇宙空間の衛星を探知追尾する試験に成功して技術面での大きなヤマを一つ越え、今後はICBM迎撃用のGBI(ground-based interceptors)との連接等にも取り組んでいく
ロッキードは同社にとって新たな分野であるBMDレーダーでNorthrop GrummanやRaytheonと競っており、間もなく12月中に選定結果が明らかになるハワイ配備のHRD-H(homeland defense radar in Hawaii)の受注に成功すれば、更に追加で総額4500億円の2か所の受注可能性が出てくる(17日、ハワイのレーダーもロッキードが受注に成功
LRDR.jpg●LRDRの技術は小型化することが可能で、例えばイージスアショア用に日本に配備されるレーダーや、前出のハワイ配備のHRD-Hも、LRDRの小型版である
ロッキードのレーダー開発は、ソフトとハードを同時に進めるのでスピードアップが可能だとMarshall部長はアピールした
LRDRはイージス艦用弾道ミサイル対処レーダー(AN/SPY-1)の25倍のアンテナ部分面積を持つが、空中線部分を全て取り外すことなく維持整備作業が可能である
●Marshall部長は「今日運用されているレーダーとは異なり、LRDRは運用しながら維持整備が可能だ」と述べ、空中線部が多数のブロックに分かれており、ブロック内の送受信素子を交換する場合でも、当該ブロックのみを取り外せばよく、レーダー全てを停止させる必要がないと説明した
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LRDR4.jpgレーダーの空中線部分の維持整備がモジュール毎可能でも、空中線部分からのデータを伝えるケーブルやデータを処理する部分、更にレーダー全体の電源部分など「共通部分」の維持整備のため、どうしても定期的に運用を停止する必要が出てくると思うのですが、どうなんでしょうか・・・
日本では、「共通部分」の維持整備があるから運用中断を伴う維持整備は「ゼロ」にならないとの話をよく聞きますが、安全係数を膨らませて確保し、維持整備担当部署がリスク回避に走りすぎている部分はないでしょうか???
イージスアショアのレーダーをぜひ確認したいものです・・
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「米ミサイル防衛庁の2017年予算」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12
「米国務省が兵器輸出促進策発表」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-11-10-2
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