3日、SpaceX社の「Falcon 9」ロケットが再利用により3回目の打ち上げに初めて成功し、また同時に64個の小型衛星を搭載し、一度の打ち上げ衛星数で少なくとも米国記録を更新したようです。
最近、電気自動車テスラモーター社の件で大変厳しい状況に置かれているElon Musk氏ですが、打ち上げロケット分野では、安全保障分野のペイロード打ち上げなど着実に成果を残しつつあります
また今回取り上げる「Falcon 9」ロケット1段目の再利用は、ロケット打ち上げコスト削減の一つの目玉であり、3回目の再利用打ち上げはまだまだ「序の口」で、10回以上の再利用を狙って今後も実績積み上げを進めるようです
再利用による具体的なコスト削減程度や、打ち上げに「再利用ロケット」を使用する事による打ち上げ保険料など、気になること数字をご紹介したいところですが調査不足でご勘弁を・・・
4日付Military.com記事によれば
●4日、加州バーデンバーグ空軍基地から太平洋に向け、64個の小型衛星を搭載したSpaceX社の「Falcon 9」ロケットが打ち上げられ、数分後に任務を終了して切り離された1段目ロケットは、予定通り太平洋上の無人着陸船上に逆噴射しながら無事着陸し、3回目の任務を成功裏に終了した
●今回使用された1段目ロケットは、今年5月と8月に打ち上げに使用されたロケットの再利用で、設計上10回以上の再利用を目指して設計されているものである
●更に今回の打ち上げでは、打ち上げ搭載物をカバーする先端のシールド部分の回収にも挑戦し、宇宙で衛星を放出する際に二つに分離したカバーを大気圏内でパラシュート降下させ、海上で待機する高速艇が広げた巨大ネットで捕獲する作戦にも挑戦している
●2つのカバーに搭載のパラシュートには、位置制御用の小型噴射装置等が搭載され、海上に落下させることなく高速艇のネットで受け止めるという大胆な発想だが、残念ながら今回はネット捕獲に失敗し、海上に落ちたカバーを回収したもよう
●それでもCEOのElon Musk氏は、「少し海水で泳がせたが問題ない。乾かして再利用する」と余裕のコメントで、このカバーの再利用に向けた意気込みも衰えていない
●搭載された64個の小型衛星は、「Spaceflight社のSSO-A SmallSat Express」プランで集められた17か国34団体から依頼されたもので、約6時間かけて低高度軌道に投入されたようである
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Elon Musk氏には頑張っていただきたいです!!!
テスラモーターズの件では苦悩の日々を過ごされているようで、同社の先行きには不安材料ばかりのようですが、Space-X社では踏ん張っていただきたいです
1段目ロケット回収の様子や、先端カバーの回収を目指す高速艇の写真を見ていると、子供の発想が現実化されているようでワクワクします!!!
「SpaceX:失敗場面を集めた映像を明るく発信」
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