なぜ外交官が最初に公にしたのか???
14日、スイスのジュネーブの国連本部で行われた軍縮会議で、米国務省のYleem Poblete軍縮担当次官補が、2017年10月に確認されているロシア衛星の奇妙な行動を取り上げ、「明らかに問題となる展開だ」と発言しました
ペンス副大統領がトランプ大統領の6月18日の指示に従い、8月9日に宇宙軍を2020年に創設すると具体的な計画を発表したばかりのタイミングであることもそうですが、恐らく秘密情報であるはずの具体的なロシア衛星の情報を、外交官である国務省高官が初めて公の国連の場で取り上げたことに注目です
まぁ・・・今後米国防省や米軍幹部がこの発言をどのようにフォローしてゆくかに注目なので、とりあえずご紹介しておきます
14日付C4isrnet記事によれば
●米国務省のYleem Poblete軍縮担当次官補はジュネーブの「Conference on Disarmament」で、2017年10月にロシア側が偵察衛星と称している複数の衛星が見せ動きを「予期された行動は異なる行動」や「very troubling development」と表現して懸念を表明した
●また同次官補は「その行動が何を意味しているのか実証する手段を有しない」としつつも、「ロシア宇宙軍司令官の主張と比較しても、それら衛星行動の意図不明で疑念を招く動きだ」と非難した
●更に同次官補はロシアが衛星破壊のための対衛星兵器を準備しているとの懸念を強調し、「プーチン大統領が世界に向け3月1日に発表したように、最近ロシア国防省は移動式レーザーシステムを受領したと明らかにしたが、ロシア指導者は宇宙兵器を政治的にも軍事的にも既成事実化しようとしている」と警鐘を鳴らした
●Poblete軍縮担当次官補は、昨年10月のロシア衛星の特異な行動の目的は不明だとしつつも、米国関係者は、ロシア宇宙軍による新型兵器の宇宙配備重視の方針との関連で警戒ししているとも表現した
●今年4月には、相次いで2つの米研究機関がロシアと中国の宇宙活動に警戒感を示すレポートを発表しているが、その一つであるCSISレポートは、ロシアの対衛星兵器の脅威と、ロシアが得意とする「RPO:rendezvous and proximity operations」作戦に懸念をしている
●またSecure World Foundationが発表したレポートは、CSISと同様に、他国の衛星に接近するような軌道変化を示すロシア衛星のRPOを警戒感を示しているが、それらの行動が情報収集用の行動とくbつすることは難しく、衛星破壊行動の訓練だとの証拠はないとしている
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とある米議員が宇宙軍の必要を訴え、「中国やロシアは既に宇宙を自分たちのものにしようとしている。是非非公開の情報ブリーフィングを聞きに来てくれ」と危機感を訴えていましたが、軍縮ぢひょう次官補が公にした事実は氷山の一角かもしれません・・・
宇宙アセットへの脅威分析
「別のレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-15
「CSISレポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14-3