RIMPACでバンドウイルカが機雷探知に成功

8匹のイルカが参加、全ての訓練用機雷を発見したとか・・
dolphin.jpg7月30日付Military.comは、実施中の世界最大の海洋演習であるRIMPAC2018において米海軍が訓練してきたバンドウイルカ(Bottlenose dolphin)が、海底に敷設された機雷を発見する演習を行い、演習で準備されたすべての機雷を発見したと報じています
このイルカの育成は、米海軍の「Space and Naval Warfare Systems Center Pacific」が担当し、「Marine Mammal Program」として南部カリフォルニアで行われており、現在はアシカ(sea lions)も育成しているようです。また過去には、「サメ、エイ、ウミガメ、海鳥」の能力チェックも行ったようです。
興味深いのは、今回のRIMPACでイルカ使用を含む機雷戦を訓練した約1100名から編成される「Task Force 177」は、米国、豪州、カナダ、英国、NZ、オランダ、そして日本を含む多国籍部隊だったということです。これをもって、日本もイルカ機雷戦に関与したとは言えませんが、訓練を終え帰国した海自の皆様にはぜひ聞いてみたいものです
7月30日付Military.com記事によれば
dolphin2.jpgサンディエゴ沖で実施された約10日間にわたる機雷戦の訓練に、8匹のバンドウイルカが参加し、海底に埋まった機雷(mines buried at the bottom of the sea)の発見に全て成功した
●同イルカを育成する「Space and Naval Warfare Systems Center Pacific」の報道官は、動物の生物センサーのみが埋まった機雷を探知する能力があると、イルカを活用した背景を説明している
●訓練されたイルカは、機雷を海底で発見すると飼育調教員に知らせるが、飼育員はもう一度確認のためイルカを海底の現場に戻す。再確認できた場合、今度はイルカに目印(marking device)を持たせて機雷場所に置かせ、その目印が海上に浮かんだ時点で人間のダイバーが機雷の最終確認に潜水する
以上の手順説明の原文は
[→]Once the dolphin found the mine, a Marine Mammal Program technician sent it back underwater to confirm its find, according to a Navy news release. When it did, the dolphin was given a marking device to carry down to the mine’s location. Once that marker floated to the surface, a dive team swam underneath it to confirm.
●仮にイルカが正しく機雷を発見した場合は、飼育調教員がイルカを誉め、そして餌の魚を与える
//////////////////////////////////////////////////
米海軍の「Marine Mammal Program」webサイト
→https://www.public.navy.mil/spawar/Pacific/technology/Pages/mammals.aspx
Dolphin-uuv.jpg上記webサイトによれば、これらのイルカやアシカは機雷戦のためだけでなく、海中に水没した装置やモノの捜索や引き上げにも貢献しているようで、引き上げ用のフック付きロープを運び、対象物にひっかけたりできるよう訓練されているようです
ちなみにこのような作業の場合、動物の輸送費等を負担すれば、手伝ってくれるようで、無人潜水艇等を使用するより低コストで可能だと宣伝しています
まぁ、そうでも言わないと、動物愛護団体などが大騒ぎしそうですが・・・
「米露がイルカ兵器対決?」
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-23
水中戦に関する記事
「米特殊作戦コマンドが大型?潜水人員輸送艇を」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-29
「水中戦投資への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-28
「米軍の潜水艦優位が危機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13
「UUVの発進格納技術」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-29
「潜水艦射出の無人偵察機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-07-1
「機雷対処の水中無人機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-30-1

タイトルとURLをコピーしました