29日、米空軍参謀総長David Goldfein大将が記者団に対し、3月から米空軍が各部隊に指示しているメディア対応の再教育と、再教育終了までのメディア取材受け制限について説明し、最近連続した軍事情報漏洩につながる報道対応を反省し対処するためだと語りました。
空軍トップクラスの定例会見を除き、基地への訪問取材や前線兵士へのインタビューなどを実質6か月間停止し、その間にメディ担当部署兵士のみならず、全兵士へのメディア対応再教育を行うとした3月1日付の空軍内部文書が軍事メディアにより暴露され、米メディアが大騒ぎになっていることへの対処会見です
米空軍首脳も、メディア対応を制限すれば、「知る権利の侵害だ」とか言ってプレスが騒ぐのを十分承知の上でのこの厳しい措置とその背景にある危機感を、空軍制服トップの発言から感じ取っていただきましょう
ちなみに、今回の厳しい措置の引き金となった「最近3~4件連続した秘密情報漏洩につながる不適切な取材対応事案」の中には、恐らく本ブログで取り上げた嘉手納基地F-15部隊取材記事も含まれているものと推察しています
「嘉手納基地所属の整備員はベテラン不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
30日付米空軍協会web記事によれば
●29日空軍参謀総長は記者団に、冷戦期には当たり前だった情報保全に関する意識が希薄になっており、対テロだけでなく大国との本格紛争に備えるべき米国にとって、秘密保全意識を再び取り戻さすことが極めて重要だと説明した
●そして同大将は、自身が若手士官の時には、敵が欲しがるような米軍の情報を悟られない漏らさないよう、徹底的に教育を繰り返し受けた物だと振り返り、最近20年間余りの対テロ紛争でそのような教育が疎かになっていた点を反省した
●「私が若手の時はそういう時代だった。口にしてよいことと良くないことを教えられたのに・・・」と振り返りつつ、「最近3~4件連続して発生した、機微な作戦運用関連情報を軍事メディアに語って報道された不適切な取材対応事案」が、今回の措置を決断した背景にあると説明した
●そして「対テロが作戦の中心であった時には不適切とまでは言えなかったが、大国との競争を考える今は不適切なのだ」、「相手は我々に強い関心の目を向けているからだ」と語った
●また同時に参謀総長は、「何をどれだけメディアに語るかはバランス感覚の問題である」、「米国民に対し、米軍がどのような活動を行っているかを知ってもらうのは米軍の義務である」とも説明し、メディアに対しこれまで同様の報道を期待していると語った
●そしてメディア対応再教育を精力的に進めていることと、その必要性を再度説明し、必要な米空軍の活動に関する情報がメディアに提供されているかについて、メディアの皆さんから意見を聞く機会を設けると約束した
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本格紛争への対処を忘れ、対テロに没頭せざるを得なかった過去約20年間の「つけ」は、あらゆる方面に及んでいます。
敵から攻撃を受けることを忘れ、電子戦を忘れ・・・・そして秘密情報の管理まで疎かになる・・・恐ろしいことです。
確かに、最前線の航空機整備に従事する軍曹が、「うちの整備員は、米本土の基地と比較してベテランが少なく、2年程度で転勤していくから、現場は大変だ」などと発言してはいけませんよねぇ・・・
でもまぁ・・・F-35の問題点は、どんどんリークしていただきたいものです。「亡国のF-35」ですから・・・
「嘉手納基地所属の整備員はベテラン不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
F-35関連記事240本
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/archive/c2302846744-1