国防費増で関税緩和してやる・・かも

安全保障を理由とした鉄鋼アルミへの関税・・・その心は?
Trump-tariff.jpg9日、Steve Mnuchin米財務長官が経済専門メディアのTVインタビューで、トランプ大統領が対露等で危機感高まる中でも国防費増に消極的な欧州NATO諸国に批判的なことを背景に、鉄鋼とアルミへの関税を取引材料に欧州諸国に国防費増を迫る可能性を示唆しました
鉄鋼とアルミへの関税について表明したトランプ大統領が、国家安全保障をその理由として上げたことに疑問の声が世界中から聞かれますが、カナダやメキシコや豪州が関税緩和免除の対象になるとの話が聞こえる中、欧州NATO諸国が上記理由で対象となれば、それなりにつじつまが合います
Trump tel.jpg米通商代表のRobert Lighthizer氏が10日11日の週末にブラッセルを訪問し、欧州諸国や日本の代表団と協議したそうですが、国防費を増やせと言われそうな点では日本も同列ですので、とっても気になるところです
ちなみに米国は欧州諸国にGDP2%の国防費を要求してきており、GDP1%レベルの日本の立場は強くありません
安全保障上の脅威であるロシアは本関税の影響をほとんど受けず、鉄鋼やアルミの輸入量が2%程度しかない中国への圧力にもなりそうもない鉄鋼アルミ関税の真の狙いは何なのか???・・・そんなことを考える記事をご紹介します
10日付Defense-News記事によれば
trump tariff3.jpg9日Mnuchin米財務長官はCNBCのインタビューに対し、トランプ大統領がNATO諸国に国防費を増加させたいとの思いを持っており、GDP2%目標を守らせ、「NATOメンバーとしての役割を果たさせ、NATOとしての機能が発揮できるようにしたいと考えている」と語った。(国防長官ではなく、財務長官がNATO諸国の国防費に言及すること自体が極めて異例です)
●ト大統領はこれまで本関税の理由とした国家安全保障との関係を語らなかったが、財務長官は諸外国と協議を行っており、「今後2週間で他の関係諸国とも協議する」と発言した
●8日にはトランプ政権高官が、Robert Lighthizer米通商代表が本関税の免除を求める他国の要望を聞くことになるが、商務長官が判断する特殊な鉄鋼やアルミ製品を除き、最終的な判断は大統領が行うと記者団に語っている
●これらに対し欧州諸国は、米国製の鉄鋼、農産物、ピーナツバター、クランベリー、オレンジジュース等に報復関税を課すと対抗措置をちらつかせている
●トランプ大統領は本関税措置に署名する前の9日、豪州とアルゼンチン首脳と電話会談し、関税免除について話し合った
trump tariff2.jpg●2代目ブッシュ政権で経済政策や通商政策を担った複数の関係者は、本関税が生みだいている混乱を危機感を持って訴え、「米産業界は透明性の確保を求めている」、「米国内の鉄鋼やアルミ産業関連雇用を守ることとつながるのか」等々の声を上げている
●本関税に関する大統領令はカナダとメキシコが除外される理由を説明できておらず、安全保障上の理由なら対象になるべきロシアや中国に対する立場も明確になっていない
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10日11日の週末にブラッセルで行われた、米財務長官と欧州及び日本代表団との協議の模様が気になります・・・
森友問題で財務省は大騒ぎですが・・・チマチマとした問題で大騒ぎの「ごみ野党」の皆様には、日本の国家安全保障に大きな影響を与えそう本件について、国会での議論を行てほしいものです
森本敏元防衛相の発言
「森本元防衛相:日本の世論は健全か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-18-1
「退任後大いに語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-03-22-1
「国民の国防理解が不十分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25

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