陸空の無人機の群れを都市戦で活用研究

swarm autono.jpg8日付Defense-Newsは、米国防省最上位の研究機関であるDARPAが無人機の群れ研究において、きわめて複雑な都市戦を念頭に空中と地上の無人機両方を組み合わせて活用するプロジェクトを研究の焦点の一つにして推進していると報じています
無人機の群れについては、2016年春頃に行われたFA-18から103機の無人機を投下し、群れとして制御する実験をエポックメイキングな実験としてご紹介しましたが、中国も昨年6月に地上発進の無人機119機で「群れ制御」に成功したようで、本分野での米中の技術争いが過熱しているようです
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
なんといっても「無人機の群れ攻撃」への対処法が確立されていないことから、米中は陸海空の全ドメインで技術優位を目指しているようです
本記事が紹介する技術開発は、陸軍の歩兵部隊が、約250台の多様な自立型無人装置を活用し、複雑な都市戦を有利に進めることを狙いとしています
8日付Defense-News記事によれば
swarm autono2.jpg2017年末にDARPAが発表したプロジェクトは、レイセオンと Northrop Grummanが中核となり、多様な競い合う参画者が無人機の群れ技術の設計デザインを競い合う環境を提供し、オープンアーキテクチャー環境でバーチャルと現実の無人機の群れ技術を発展させることを狙っている
●中核企業と参画企業は群れ技術を実現するために大きな枠組みの実験を行い、競い合う参画企業は大きな枠組みの中で、以下の5つの分野の一つに集中して取り組むことになる。5つの分野は「swarm tactics, swarm autonomy, human-swarm teaming, virtual environment and physical testbed」である
5つの分野は半年単位で集中期間が指定され、それぞれの分野の最後には試験と技術融合のアセスメントが行われる。また時には、半年単位のインターバルとは別に、特定分野への集中期間が設けられることもある
Roper2.jpg●例えば最初の半年集中期間には、「市街地2ブロックを15-30分間孤立させる」事を目標として、約50の地上と空中無人機を群れとして使用する戦術を昨年11月までの期間で集中検討している。
●本検討は、無人機がエリアを偵察し、進入退出ポイントを見極め、エリアを認識することから始まる。そしてその過程で、無人機に都市空間を以下に認識させ、何ができるかを検証することになる
●DARPAの研究担当責任者は、この集中検証を定期的に繰り返すことで、また小さなベンチャー企業でも解決法を案出できる企業を歓迎することで、革新的な解法を探求していく姿勢を強調している
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昨年6月に中国で119機の「群れ」実験を行ったのは、「China Electronics Technology」との国営企業のようですが、サイバー攻撃部署も社内に保有しているような企業かもしれません
Swarm Chall2.jpgいや・・・米国の先端企業に潤沢な資金を投入し、赤入りに染めているのかもしれません
先日は「巡航ミサイル」を「群れ」で運用する研究開発契約の話をご紹介しましたが、あらゆる分野で「群れ」が流行りのようです。
無人兵器・&装備の群れ関連
「群れ巡航ミサイル開発へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-02
「無人機の群れ第7世代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-26 
「3軍の士官学校が群れ対決」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-26
「国防省幹部:空軍はもっと真剣に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-30
「米海軍が103機の無人機群れ試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-10-1
「無人艇の群れで港湾防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19
「無人機の群れ:艦艇の攻撃や防御」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-10

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