6日、マレン統合参謀本部議長はジョージ・ワシントン大学で開催中の全米の学生を対象としたセミナーで講演し、3つのプライオリティーを挙げて自らの任務を語り、併せて学生たちへアドバイスを送りました。
同議長は3つの優先事項が2007年10月に就任した当時とさほど変化はなく、拡大中東地域での戦い、米軍人のケア、そして他の地域のリスク管理であると述べました。
同セミナーには全米75大学から選抜された学生が参加している模様で、軍人トップとして将来のリーダーに語りかける機会となった、との報道振りです。米国防省HPより
同議長は3つのプライオリティーについて語り・・・
●拡大中東地域への取り組み
イラクとアフガニスタンでの戦いに加え、イランと湾岸諸国(恐らくイエメンを念頭か)にも注目している。アフガニスタンに関しては、昨年後半に3ヶ月にわたって精力的に議論し、種々の意見を聞くことが出来、多くを学んだ。その結果、大統領は「勇気溢れる」決断をされ、我々は実行段階にある。
皆さんには国際的な課題を米国人の視点からだけではなく、他国の視点からも見るように是非してもらいたい。
(特にパキスタンを取り上げて、)議長に就任して以来14回同国を訪問した。「世界にとっての緊要な地域にある緊要な国」であり、「我が国でも、パキスタンについて大いに議論されるべきだと考えている」と強調しました。
●兵士のケア
適材適所に適切な人材を配置することがその重要な部分である。最終的には、リーダーとしてリーダーシップをどう考えるか、どのように組織を導くか、そして変化の時にどのようにリードするかに繋がる課題である。そしてあなた達は環境の変化に伴いそのようなリーダーシップを学んでいくのである。
米軍は今、度重なる派兵を求められている。兵士たちが家族と過ごす時間はより短くなり、ストレスの増加に繋がり、自殺率が急増している。軍はこの問題への取り組みに重要な一歩を踏み出している。
●他地域のリスク管理
(中東以外の)他地域をよく観察し、どこまでリスクを受け入れられるかを吟味推測することが重要である。環太平洋地域は世界経済継続発展のエンジンである。アフリカも潜在力を持っているが、同時に課題も膨大である。
私は若い頃、東西(対峙)の視点で見ることを教えられたが、現在ではメキシコなどラテンアメリカ諸国を見ることも重要である。ブラジルはもう一つの世界経済牽引者である。米国人は、もっとパートナー国を注意深く見ていかなければならない。
これら世界情勢の観察は、イラクやアフガンでの作戦終了後の将来に備えることでもあり、私の重要な課題の一つである。
優秀な大学生を集めて、ワシントンDC所在の各分野トップクラスから貴重な話を直接聞き、学生間で議論する・・・細部はわかりませんがなかなか素晴らしい企画ですね・・
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