スーチーの実務能力欠如を世界は見抜き・・・
地価崩壊、通貨下落、治安悪化、ゴミ散乱・・・
忘れた頃に取り上げてきたミャンマーですが、熱狂の政権交代時のかけ声であった「軍事政権から民主的政権へ」の期待は急速にしぼみ、シンボリックな「カリスマ風の人気」だけに支えられたアウンサン・スーチーの実務能力欠如が明らかになってきたようです
ミャンマーに20年以上根を張り、現地の女性と結婚し、世界が見向きもしなかった時代から現地での人脈を気づいてきた日本人の友人と話す機会があり、現地の雰囲気に接する機会がありましたので、断片的ながらご紹介したいと思います
ミャンマーの情勢一般
●スーチーやその政権に対する根拠のない熱狂は、ミャンマーに向けた関心を集めて投資を呼び込んだが、化けの皮が剥がれた実務能力無きスーチーや政権に見切りを付け始めた投資マネーは、急速に「引き波」を始めている
●高騰を続けていた地価は暴落を始め、取引が成立しなくなっている。最近5年間ほど上昇を続けていた現地通貨も下落し始め、世情に敏感な投資家心理を敏感に映し出している。これにインドの高額紙幣流通停止による経済混乱が拍車を掛け、バブルは急速にしぼむだろう
●かつて軍政下で何とか管理してきた国境紛争や民族問題も再燃している。ミャンマー西部国境付近では、イスラム勢力と仏教徒の衝突が再燃し、仏教徒住民を守れない警察や軍を諦めた住民が武装して軍事行動に出る状況に至っており、紛争が無秩序に地域的広がりを見せている
●山岳地域の少数民族問題も同様で、政府も十分に状況を把握できないほど混乱の度を深めている
●20年に渡って変化を見てきた政経中枢であるヤンゴンの雰囲気も良くない。ゴミの収集に代表される社会サービスの質が低下し、一般治安も悪化している
ミャンマー進出を考える日本企業へ
●主要な産業や商業分野で、ミャンマー市場を狙うのはもう遅い。欧米企業が全ての利権を抑えたと考えて良い。2014年にコカコーラが進出してきたが、これは米国との関係に置いて、米軍が展開してきたのと同程度の意味を持つ
●日本企業関係者が多数ミャンマー進出の相談に訪れるが、私がいつも言うのは、製造業で、30年スパンで投資を回収するぐらいの覚悟がないと今からでは遅い・・・と言うことである。
●スーチーをシンボルにして実務を閣僚が支える体制が期待されたが、閣僚が機能していない。知識や経験のない者、スーチー人気にあやかって地位を得たが自身で正面に立つことを嫌って仕事をしない者、早くも利権にまみれている者等が混迷を深くしている
●治安の悪化はスーチーに反発する勢力の活動を促し、「スーチー暗殺」の企ての噂が絶えない。スーチーが排除されるようなことになれば軍政回帰が避けられないが、有識者の間にも「軍政時代の方が良かった」「もう一度軍政で落ち着きを取り戻すべきだ」との声が聞かれる状況である
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人権命だったオバマ政権はスーチー応援団でしたが、実務的な視点を持つトランプ政権には、人権命の看板を小さくして欲しいです。そしてフィリピンや東南アジアの国々とも仲良くして欲しいものです。
ミャンマーのような国では、軍の士官学校しかまともな人材育成をしておらず、海外留学の裕福層は国に根付いた政策を打つ気がない&打てない実態もありますから、軍人の活用は決して不合理ではありません
ミャンマーはアジア唯一のフィロンティアだったのでしょうが、日本はゴリゴリの利権争いに奥ゆかしさが出たようです。まぁ・・でもここは、長期的視点に立って、ビルマ時代からの繋がりもありますから、長い視点で関係を育てていきたいものです
ミャンマー関連の過去記事
「自衛隊トップがミャンマー訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-28
「スーチー女史は英国スパイ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-13-1
「印とミャンマーと日本」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-29
「ミャンマーの魅力と課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-29-1