重量770gの超小型精密誘導ミサイルが大人気
約1年前の米陸軍協会総会&展示会で一般初公開され、大きな話題となった超小型レーザー誘導ミサイル「Pike」が米軍だけでなく諸外国からも大きな関心を集めていると米軍事メディアが報じています。
Pike missileは、全長43.2cm(17インチ)、直径3.8cm(1.5インチ)、重さ771g(1.7 pound)、射程約2kmのミサイルで、地上部隊が既に保有しているRPG発射装置(M203やELGM)から発射可能な点が、多くの関心を集めている理由の一つです。
またレーザーによる精密誘導が可能なことから、従来の機関銃やRPGでは攻撃しにくい目標や、精度が高いゆえに敵からの反撃を恐れなくて良い点もPikeへの関心を集める理由となっています。
更に、目標への照準用レーザー照射を同ミサイル発射前から実施する必要がなく、ミサイル発射後から命中するまでの間で十分で、最大射程時でも15秒ほどで十分とされている点も近接戦闘向きと人気を集めているようです
10月17日付DODBuzz記事によれば
●レイセオン社担当幹部によれば、特殊地上部隊や歩兵部隊用の同ミサイルに、多くの国が関心を抱いているようで、交渉が続けられている
●同幹部は状況について、「非常に購入しやすい価格である事から、タイミングと予算次第だろう」と期待を持って語っている
●「Pike」はRPG(肩撃ち式ロケット弾)より高価だが、対戦車ミサイルの「FGM-148 Javelin」よりは安価である。
●精度面で「Javelin」も有効だが、「Pike」より高価で破壊力が大きく、周辺被害も大きくなる。「Pike」は命中時の破片効果で、壁を隔てた2名を殺傷する程度の破壊力を備えている
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対ISILの前線部隊から緊急調達の要求が来そうですが、最前線に米軍歩兵はおらず、直接近接戦闘に従事しない特殊部隊のみ存在するが建前なので簡単ではないのでしょう
「電子回路の小型化技術により、このミサイルが実現出来た」とレイセオンの担当幹部が昨年語っていましたが、無人機の技術と併せ、この種の小型化技術にも注目です。無人機等に搭載されたら・・・恐ろしや・・・
昨年のPike紹介記事と海軍の取組
「レイセオンが重量0.8kgの超小型ミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-15
「米海軍も小型誘導ミサイル「Spike」研究中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-25