US-2を12機インドに輸出との朗報の中ですが・・・
7日、米国防省のF-35計画室は、F-35部品の修理可能部品774個の中の65個部品について(海外の)修理担当国を発表し、英国とオランダと豪州らが分担して担当することが明らかになりました。
発表になった分担は期間が定まっており、2021年~2025年と、2025年以降とに分けて担当範囲を発表しています
今回発表になった65部品については、今年3月に共同開発国と購入国の修理担当に興味のある国に対し、関連修理能力等についての情報提供を求め(request for information)、その評価結果に基づき7日の発表に至ったようです
なお残りの709部品については、10月に関係国に情報提供要望を発出して選定作業に入っており、来年段階的に発表になる模様です
日本の企業が「どれだけ積極的に応募しているかは不明」ですが、今回発表分には日本の名前はなく、2025年以降に韓国の名前がちらり出て来る点は気になります
65個の部品の修理分担
(修理=MRO&U:maintenance, repair, overhaul and upgrade)
・2021年~2025年
—英国は48部品で、「electronic and electrical components, fuel, mechanical and hydraulic systems and ejection seat等」を担当
—オランダは14部品で、「landing gear」に集中
—豪州は3部品で、「life support systems」に集中
・2025年以降は、欧州とアジア太平洋で分割配分
—欧州では、英国が51部品で、オランダが14部品
—アジアでは、豪州が64部品で、韓国が1部品
7日付Defense-News記事によれば
●(3月に65部品に関する選定作業が始まって以降、)精力的に航空産業の修理能力キャンペーンを行ってきた英国にとって、7日の発表は大勝利であった。英国政府は、数百億円規模の修理事業と多くの雇用を英国にもたらすと、発表を大歓迎している。
●発表を受け、BAEとNorthrop社は、それぞれ発表を歓迎し、英国企業や英国民と緊密に連携していくことを楽しみにしていると声明を発表した
●Fallon英国防相も、「英国が欧州におけるF-35部品修理の拠点となる事は、英国のハイテク産業と国防産業に極めて大きな朗報である」、「英国産業界の能力へのお墨付きを与えるもので、英国の輸出を高めるものだ」と声明を発表している
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Defense-News記事には記述がありませんが、F-35の維持整備に場所に関しては、継続的に効率性やパフォーマンスをモニターし、最も費用対効果の高い場所を継続的に追求するのが基本原則だったと「記憶」していますので、「2025年以降」の分担が固定ではないと思います
ただし、最初に受注した国の工場がノウハウや設備面で有利に立つのは間違いなく、推測ながら、固定化のモメンタムは高いのでしょう。EU離脱でも、英国が踏ん張っているのが印象的です(韓国に一部でも修理されたくないとの思いは脇に置いて・・・)
継続してねちっこくご紹介している「亡国のF-35」模様ですから、F-35の行く末を考えると修理に手を上げる国も勇気がいるのでしょうが、豪州の軍需産業基盤がどれほどか? 日本との差はどうなの? と考えるとき、日本側の熱意が「どうなの?」に興味津々です
F-35の組み立てや修理分担
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「豪州と日本が分担」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-18
「欧州でのF-35整備拠点決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-12-1