機体火災の原因究明前に、強引にまとめ買いを既成事実化へ
10日付テキサス州地元紙(Lockheed Martin社拠点のFORT WORTH紙)は、ノルウェー国防省が同国議会に対し、F-35を追加で12機調達する予算案を提出したと報じています。
また、米国防省が同機の価格低減のため各国に働きかけている「まとめ買い」提案にノルウェーが乗る形で、この12機を2019~20年に「まとめ買い」する予算案だと同紙は伝えています。
9月23日に発生したエンジン始動時のF-35A型尾部からの火災発生の原因究明が依然続く中でも、海外からの注文が入ったと米国防省やLM社は大喜びのようですが、大丈夫かなぁ・・・と心配になる今日この頃です
10日付テキサス州地元紙報道によれば
●F-35共同開発国であるノルウェーは、継続して最終的には52機購入すると言い続けているが、(既に発注した28機に加え、)12機の購入する予算案をノルウェー議会に提出したと国防省高官は語った
●なおこの12機は、2019~20年に「まとめ買い:block buys」する予算案として計上されている
●LM社の報道官は、「ノルウェーは継続して強い購入意欲を示しており、同国のF-35への強い信頼感を示している」とコメントしている
●米国防省などの見積もりによれば、2018~20年にかけて計450機を「まとめ買い:block buys」することにより、2013年価格で1機120億円程度だったものが、82~87億円にまで下げられることになる模様
●米国防省F-35計画室の報道官は、「ノルウェーを始め共同開発国は、まとめ買いコンセプトが明らかになって以来、継続してこれに含まれている」、「大きなスケールメリットが享受できることから、全ての国の購入費用削減につながる」とコメントしている
●ノルウェー軍用の1番機は、2015年9月に完成式典が行われている。最近では、日本の1番機完成式典が9月23日に行われている。
●海外購入国で1番最初に動機を運用開始するのはイスラエルで、今年6月に1番機を受領している。なお同国は33機を購入予定で、更に17機の購入オプションも有している
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米国防省もLockheed Martin社も、原因不明のエンジン始動時火災が発生しているのに、事故調査の途中経過も明らかにせず、関係者も全く事故を語らず、淡々と何事もなかったようにF-35を売り込む姿勢は、リーマンショック前、低所得者に住宅ローンを貸し出しまくったローン会社を見ているようです
あの火災事故から早3週間、あれだけ率直になんでも語ってF-35計画を本音で支えてきたF-35計画室長のBogdan中将でさえ、最近はお言葉も耳にしません。
この点が最も気になっているところです。火災の原因やその影響が大きすぎることから、その対策や言い訳を懸命に考えているような気がしてなりません・・・
この静けさが、恐怖を駆り立てます・・・。なお、写真上はノルウェー国防大臣、写真中は2015年9月の1番機完成式典です
F-35とノルウェーなど
「国産ミサイルをF-35に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-20-1
「ノルウェーは女性徴兵へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16
「まとめ買いしない?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-31
9月23日の火災関連
「未だ原因不明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-06
「自衛隊1番機完成日に火災事故」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24