新しい米空軍トップ「より迅速にピクチャー共有を」

何が共有可能かではなく、何が共有不可かを問え
Goldfein.jpg20日、テキサス州のRandolph統合基地で空軍兵士との対話集会を行った米空軍の新参謀総長David Goldfein大将は、4年間の参謀総長任期間の目標や重視事項について語った模様です。
いわゆる「town hall meeting」で新たな施策やサプライズ発言はありませんが、同盟国空軍の新しいリーダーの考え方を知る機会ですので、ご参考まで紹介します
Goldfein新空軍参謀総長は兵士達に
私の4年間の任期における鍵となる目標は、米空軍を安定させ(stabilize the force)、将来の如何なる紛争に対しても統合戦力の一翼を担って対処できるように空軍を強化することである
●米空軍は統合戦力に多様な形で貢献しているが、特に、多様なドメインに於いてデータや情報を収集し、処理分析し、指揮統制の実行に供する点での役割は大きい
Gold-Live.jpg●一方で、現状のこの様なデータ処理プロセスは、あまりにも遅い(far too slow)
●将来に向けての鍵は、全ての作戦関係者を結びつけることであり、迅速に任務遂行に関する状況認識を共有すること(share data for a common mission picture)である
米軍内での統合戦力の枠組みを超え、同盟国等との認識共有までを考える必要があり、その際は同盟国等と何が共有できるかとの旧来の視点ではなく、何が共有できないかとの目線に考え方を変えていく必要がある
●(予算の強制削減への懸念に関する質問に対し、)米国の財政赤字は、長期的な国家に対する最大の脅威であり、米空軍は全ての予算が効果的に無駄なく使用されるよう努める必要がある
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兵器技術の拡散により、安価で高性能の各種精密誘導ミサイルや攻撃兵器が敵対国に蓄積される中、米軍は多様なアセットのセンサー情報を集約し、これを人工知能AIで迅速に処理配分し、レーザー等の最新兵器や超超音速兵器なども導入して対処しようとしています
宇宙に於いては、多機能高価格の少数衛星から、低価格で機能分散型の小型衛星を多数分散配置に変更しようとしています。
Goldfein6.jpgまたサイバーや電子戦分野でも、迅速に推移する敵の動きに対処するため、AI導入が「第3の相殺戦略」の主要検討課題となっています
その基礎が「share data for a common mission picture」であり、新参謀総長Goldfein大将の強く意識するところなのでしょう。さて日本は可能なんでしょうか???
Goldfein新空軍参謀総長をご紹介
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-27
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