ACC司令官:世代間共通リンクと空対空ミサイルを

Carlisle-FB2.jpg11日、英国のFarnborough航空ショーで記者会見したカーライル米空軍戦闘コマンド司令官は、「戦闘機族のボス」らしく、F-22とF-35と4世代機間を結ぶ新しいデータリンクや「リンク間翻訳機」や、新しい空対空戦闘用ミサイル開発の重要性を訴えました
データリンクや「リンク間翻訳機」はともかくとして、「Air Superiority 2030」検討を持ち出し、「戦闘機により多く搭載できる小型で高性能の空対空ミサイルが必要」と主張されると、対策の方向や焦点が少し違っているのでは・・・と突っ込みたくなりますが、日本が異例の叙勲「旭日大受賞」を贈呈した恩人ですので、まずお話をお聞きしましょう
断片的な米空軍協会web記事ですので、背景説明が不足しているかもしれませんが、米空軍の動きの一端としてご紹介しておきます
新データリンクや「リンク間翻訳機」を
Carlisle-FB.jpg●米空軍は、F-22とF-35が相互に情報共有でき、更に他の作戦機とも情報通信できるハードウェアのプロトタイプ開発を急いで進めている
2~3年のうちには、何らかの新装備が前線に投入されているだろう。敵情に関する高い質の情報を迅速に意志決定サイクルで共有するこの装備は、敵を撃破する能力の基礎であり、敵に対処を強要するものである
F-22は「IFDL:Intra-Flight Data Link」を、F-35は「MADL:Multifunction Advanced Data Link」を使用し、この分野にあまり取り組んでこなかった。しかし両機種ともLink-16を使用することから何とかしようとしている
●プロトタイプ開発は、IFDLとMADLの間の「翻訳の箱:a box that translates」と、米軍機と同盟国帰投の間を結ぶ新型データリンクに焦点が置かれている。状況認識を共有するためだ
●産業界とパートナー国との精力的な強力で、更に研究機関の努力もあり、期待できる成果が見えてきている。また「翻訳の箱」にも極めて重要な進展が現れている。皆が共通の情勢認識を持てる将来に向けて進んでいる
AMRAAM改良型でない新しい空対空ミサイルを
Carlisle-FB3.jpg●完了したばかりの「Air Superiority 2030」検討は、F-35の調達ペースを年48機程度ではなく100機ペースに上げる必要性と、第5世代機に相応しい新しい空対空ミサイルが必要だと示している
新しい空対空ミサイルの計画(program of record)は間もなく明らかになるだろう
AMRAAM AIM-120の能力向上計画はとても順調に進んでいるが、我々が必要とする次世代のミサイルとは異なる。脅威の推移に対応するため、新型ミサイルはより長い射程と優れた電子戦対処能力が必要だ。以前、AMRAAMの後継ミサイルはより小型で戦闘機がより多く搭載でき、より機敏性や機動性を持つべきだと述べたとおりである
F-35は空対空戦闘にも極めて高い能力を示しており、真に驚くべき空対空アセットである。そして新型ミサイルを備えれば更に進化するだろう。新しいミサイルが必要なのだ
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近い将来に退役するであろう愛すべきHawk Carlisle空軍大将ですが、次の世代の戦闘機族は、もう少し表現振りを工夫した方が良いと思います。
少なくとも、想定する敵対国で米空軍機と空中戦で勝負しようとする国は「ほとんど皆無」だと思います。
J-20-41.jpgもちろん軍人の「性:さが」で、中露でもステルス機や5世代機もどきの開発が行われていますが、戦闘機VS戦闘機を考えての開発ではないと思います
敵の政経中枢や基盤インフラ攻撃機であったり、高価値アセット(AWACSや電子戦機など)攻撃機のイメージで、敵国はステルス機を考えているのではないでしょうか?
それと・・・米国に対抗して日本独自に開発したデータリンクがあったと思いますが、その将来に暗雲ですね・・・
将来の空を制するために
「Air Superiority 2030計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-02
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「米空軍:小型無人機20年計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18

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