4日、オレゴン州ユージンで開催されたリオ五輪陸上競技の米国代表選考会・男子棒高跳びで、米陸軍のSam Kendricks少尉が選考会新記録の5m91cmで優勝、第2位に米空軍のCale Simmons中尉が5.65mで入り、共に米国代表権を勝ち取り、8月のリオオリンピックに参加することになりました
両名とも、民間企業とのスポンサー契約や国防省の「WCAP:World Class Athlete Program」で競技に専念できる環境にあり、五輪終了までは競技に集中するようです。
特に優勝したKendricks陸軍少尉は、現在世界ランキング第2位で、トップの仏選手に続いて優勝候補に挙がっている有望株です。
本日は米国防省メディアから両選手の横顔を紹介し、何かと不安一杯のリオ五輪のお楽しみ材料にして頂こうかと思います
優勝したKendricks陸軍少尉は世界ランク2位
●同少尉は昨年ミシシッピ大学をROTC学生として卒業、予備役としてテネシー州にある第655輸送中隊に所属しているが、競技のため世界を転戦しており、今年春には北京の大会で5.92mの自己記録をマークしている
●現在はナイキとスポンサー契約を結んでいるが、WCAP対象者に選出されることを希望している。
●五輪後の10月からは基礎士官指導者コースに参加することになっており、陸軍士官の基礎を身につける
●選考会当日は暑さと風に各選手が悩まされたが、彼はあらゆる自然条件を克服できるのが一流の棒高跳び選手だと考え、日頃のトレーニングで準備を整えてきた
●また彼は陸軍士官であることについて、(部隊での経験はまだ少ないが)ROTCでの訓練を通じ、陸軍が目指すレベルとその崇高さに強く引かれると語っている
第2位のSimmons中尉は兄弟3名が空軍士官
●現在はWCAP対象者としてフルタイムで競技に専念できる環境にあるが、米空軍士官学校を卒業後2年間は、契約担当士官としてドイツで勤務し、その間は棒高跳びから離れていた。
●WCAPに選ばれ競技を再開したが、幸いにも競技勘は鈍っておらず、6月には自己記録5.72mをデンバーの競技会でマークできた
●双子の兄と姉が共に空軍士官学校卒業生でかつ棒高跳び競技者であり、同じ中尉の兄はC-17操縦者として、大尉の姉は空軍士官学校で勤務している。ただ現在も競技を続けているのは彼だけである
●彼は棒高跳びののトレーニング以外にも、余暇を利用して岩山登りやスカイダイビング、また体操競技にも取り組んでおり、身体のコントロールを学ぶために多様なスポーツに取り組んでいる
●兄弟3名とも棒高跳びで空軍士官学校に入学を認められたが、士官として空軍に所属しながら、WCAP対象者として競技生活を送れる機会を与えられたことを「夢がなかった」と喜び、五輪後もしばらくは競技を続けたいと考えている
●またSimmons中尉は冗談で、兄の操縦するC-17でリオまで運んでもらい、パラシュートで競技場に降り立てたら最高だ・・・と笑って語った
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予算不足や世界中での紛争対処に四苦八苦する米軍ですが、WCAPのような制度を守っている「懐の深さ」も兼ね備えているようです。
まんぐーすが子供の頃は、棒高跳びと言えば米国選手がメダルを独占するのが当たりまでだったような気がしますが、次第に他国とのメダル争いが熾烈になり、ロシアのブブカ辺りからロシア東欧勢が有力になり、今や米国はメダル獲得がせいぜいの状態かと思います。
陸上競技や水泳など体力競技は、ドーピング問題が深く影を落としていますが、クリーンな軍人が底力を見せ、大会を盛り上げて欲しいものです。
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