下士官のRQ-4無人機操縦者養成を10月開始

RQ-4 Misawa.jpg6日付米空軍web発表によれば、昨年12月に発表していたRQ-4グローバルホーク無人機への下士官操縦者の配置について、具体的な訓練コースや第一陣メンバーが決定したようです。
米空軍は無人機操縦者の相次ぐ退職と任務増のダブルパンチと戦っており、これまで士官のみに限定していた無人機の操縦者を下士官に開放することで、「人手不足」対策にする意向です
ただし同じ無人機でも、MQ-1やMQ-9のような攻撃兵器を搭載可能な機種は下士官に開放せず、とりあえず偵察任務オンリーのRQ-4のみの門戸を下士官に開きました
6日付米空軍web発表によれば
RQ-4 Misawa4.jpg●米空軍は最初の下士官RQ-4操縦者養成コースに入る10名を選抜した。同下士官の教育訓練は10月に開始し、来年卒業の計画になっている。
養成計画数は、2017年度は12名、その後は毎年30名を養成する計画である
●養成コースの下士官は、まず「DA-20 Falcon軽飛行機」で初級飛行教育を受け、次に無人機計器飛行と基礎課程を受講する
●更にRQ-4基礎訓練コースを修了し、最後に、RQ-4を国内及び海外で飛行させることが可能な連邦航空局が認定する計器飛行証明を取得する試験の合格を目指す
●無人機操縦者に応募する下士官の資格は、勤務歴6年以上、階級は「staff sergeant」から「senior master sergeant」と規定されてる
●米空軍は、2020年までにRQ-4操縦者の7割を下士官から養成したいと考えている
6月21日カーライル戦闘コマンド司令官は
Carlisle-ACC2.jpg●米空軍は最終的に、下士官のRQ-4操縦者を100名保有したいと考えている
●私の38年間の勤務経験から考えると、我が空軍の下士官は完全に米空軍内で何でも実行可能だ。この新コース設定は、我々の将来進むべき道に新たな柔軟性を与えてくれる
攻撃兵器を搭載可能なMQ-1やMQ-9のような機種の操縦を下士官に開放する計画は無いが、下士官諸君の任務は将来拡大するだろう。より多くを行ってもらう方向にあるだろう
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昨年12月の発表時には、半年で諸計画をまとめると米空軍は発表しましたが、その通りの進捗で、如何に米空軍が懸命に取り組んでいるかが伺えます
ただこの決断は「アリの一穴」となり、やがては有人機にも下士官操縦者が現れるのでしょう・・・。
ants-hole.jpgWW2の時代は、下士官操縦者が日本も含め活躍(坂井三郎など)していたのですから、今の軍パイロットが士官で固めている根拠は、極めて乏しく、単に「職域防衛」「組織防衛」と言われても完全な反論は難しいと思います。
地上部隊の新兵さんでも、銃を与えられ、「歴史を変えうる」弾丸を発射可能なんですから・・・
無人機操縦者の問題関連
「RQ-4操縦を下士官に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-19
「問題点と処遇改善の方向性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-11
「空軍長官が現状を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-17
「無人機操縦者の離職止まず」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-31
「無人機操縦者手当を2倍以上に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17
「無人機は事故率6倍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-21-1

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