米陸軍がレーザー兵器の本格試験演習

HELMTT.jpg12日、米陸軍が車両搭載型レーザー兵器をどのように陸軍部隊に取り入れて将来運用するかを検討するため、オクラホマ州の演習場で約10日間にわたり単なる試験でない「戦術環境を設定した演習」を行ったと発表した模様です
昨年10月には、ロッキード社が米陸軍用に「光ファイバーレーザー兵器」の製造を開始すると発表し、「Athena」との製品名を持つ車両搭載のレーザー兵器が、2016年に戦闘地域へ派遣可能になると報道されていました。
また今年3月には、同社が「30 KW級レーザー兵器なら、いつでも部隊に提供できる。どの装備にどのように搭載するかを考えるだけだ」との自信たっぷり記者会見を行っていたところです。
試験演習の細部は不明ですが、地上では雲や雨の影響も受け、地形や建物や樹木に遮られるレーザー兵器を具体的にどう扱うのかを検討・検証したものと想像します
13日付Defense-News記事によれば
HELMTT2.jpg●米陸軍の車両搭載高出力レーザー(HELMTT:High Energy Laser Mobile Test Truck)の運用法を検証するため、4月11~19日の間に行われたMFIX演習(Excellence Maneuver Fires Integrated Experiment)にHELMTTが持ち込まれた
オクラホマ州のFort Sill米陸軍基地において、「Fires Center of Excellence Battle Lab」が計画実施した演習で、HELMTTは空中や地上目標の捕捉、追尾、交戦、破壊を戦闘状況環境下で行い、米陸軍のエネルギー兵器技術を示した
●米陸軍のミサイル防衛コマンドのHELMTT技術責任者Adam Aberle氏は、「同兵器を初めて米陸軍の指揮統制ネットワークに組み込んで使用した」、「戦術環境でどのようにレーザーを運用するかを学んだ」とコメントしている
●また「単に兵器の能力を試験したのではなく、HELMTTをどう活用して任務遂行するかのの戦術・手順・操作技術確立に米陸軍は取り組んでいる」と説明している
HELMTT3.jpg●演習でHELMTTは、移動目標と制止目標を攻撃し、小型無人機や迫撃砲弾を破壊した
HELMTTは10KWのレーザー兵器をトラックに搭載しているが、ミサイル防衛コマンドは2KWレーザー(Mobile Expeditionary High Energy Laser)のストライカー装甲車両搭載にも取り組んでいる
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10kwレーザーでどの程度が可能なのかよく把握していませんが、ロッキードが簡単だと言っているレベルの出力ではなく、射程や威力も程々なのかもしれません
最初に世界のどこへ派遣&配備されるのか気になりますし、その用途も気になります
レーザー&エネルギー兵器関連
「米企業30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「2012年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米陸軍は2016年前線に投入」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-16
「ACC戦略2015では?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「米空軍幹部が議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-29
「米国DEW兵器開発の課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-23
「まずC-17搭載レーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-23
「特殊作戦C-130にレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31
「特殊部隊とレーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-16

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