次の中央軍司令官の噂

Votel2.jpg6日付Defense-NewsがWSJ紙を引用し、オバマ大統領が対ISILを指揮する米中央軍司令官を交代させる意向だと報じ、具体的な新司令官候補者として、昨年半ばに特殊作戦軍司令官になったばかりのJoseph Votel陸軍大将があげられています
現在の中央軍司令官は、2013年3月から勤めているLloyd Austin陸軍大将ですが、昨年9月の上院軍事委員会で、数十億円を投入して進められてきた穏健シリア軍育成プログラムの成果について質問され、「現在残っているのは4~5人」と正直に発言し、同委員会を「大爆発」させたことで名を馳せたところです
Austin司令官が約2年間勤務していることを考えれば、通常の交代とも言えますが、後任者が現ポストを1年も経ずに交代というのは「極めて異例」と言えましょう・・・
「イランVSサウジ=シーア派VSスンニ派」の様相が鮮明化する新年早々から激動の中東ですが、Joseph Votel陸軍大将について少々ご紹介します
6日付Defense-News記事によれば
Votel.jpg●米軍がシリアとイラクに派遣している唯一の地上部隊が特殊作戦軍の部隊で、ISIL対処の最前線で槍の穂先の役割を果たしている部隊をJoseph Votel大将は率いている
●特殊作戦部隊の活動はあまり公にされてこなかったが、同大将はこれまで公に、通常戦力と特殊部隊の連携強化を求めてきた
●仮にノミネートされれば、上院軍事委員会の承認を得る必要があり、現在遅れがちな国防省の主要ポストの承認手続きを懸念する意見もあるが、中央軍司令官の重要性に鑑み、迅速な処置が行われるだろう
現在のAustin司令官は、オバマ政権の対ISIL戦略が議会で不評な中での任務遂行を迫られた司令官として知られ、議会で度々議員から詰問を受けてきた黒人司令官である
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Austin.jpg昨年9月16日の上院軍事委員会で、「(現在残っているシリア兵士は)4人か5人しかない」と正直な爆弾発言をし、マケイン上院議員を「28年もこの委員会にいるが、こんな話は聞いたことがない」と激怒させたAustin司令官です
まぁ・・覚悟の発言だったのでしょうし機能しないと判っている仕事でも、やらなければならないのが「文民統制」にある軍指揮官のつらいところです
あくまでもWSJ誌による「噂報道」ですが、生暖かく見守りましょう・・・
Joseph Votel大将の公式経歴
→http://www.defense.gov/About-DoD/Biographies/Biography-View/Article/602777/general-joseph-l-votel
「たった4~5人ほど:正直な爆弾発言」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-21

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