カーライル司令官が世代間リンクや重点配備を語る

Carlisle-RAND.jpg4日、米空軍戦闘コマンドのカーライル司令官(旭日大綬章)が、「Projecting Combat Power in the Information Age」との題目で講演し、世代をまたぐ作戦機間の情報共有や、ISRアセット投入場所の的確な予想が重要だと語っています
講演は、米空軍協会のMitchell研究所とRAND研究所の共催で行われた「Aerospace Power」に関するサンタモニカでのフォーラムで行われ、言わば米空軍応援団に囲まれて、「エアパワー&戦闘機族ボス」としての所信を語った講演と位置付けられましょう
細部は分かりませんが、主催者の米空軍協会が短く伝えていますので、その中心となる主張を断片的にご紹介します
7日付米空軍協会web記事によれば
F-22Hawaii3.jpg●カーライル司令官は、敵の防空網が脆弱な環境での「制空」確保を米空軍は航空戦力で果たしてきたが、「将来想定される環境では、必ずしも米空軍にその能力があるとは限らない」と講演で述べた
●更に「(将来の強固に防御された空域での)航空戦闘力Projectionは、戦いのシナリオに沿った(我の)情報共有網を見いだすことと、敵の意思決定網に作用することに成否がかかっている」と説明した
●「状況認識:SA」とは、「何が必要か、何時必要かを知ることであり。それ以外にはない」であるから、「将来の戦闘に置いては、5世代機であるF-22やF-35と4世代アセットとの情報共有が、しっかりした敵の発見や追尾や分析や特定に必要不可欠なのだ」と訴えた
●また同大将は、分析情報を活用して限られたアセットを如何に効率的に活用するかが重要だと指摘し、無人ISR機であるMQ-1やMQ-9を例として語った
●「米空軍は、アセットが何処で必要になるかを、より良く予想する必要がある」と語り、単に戦闘コマンド司令官の要望に逐一対応するのではなく、米空軍や国防省はISR要求が急増する際は何処に焦点を当てるべきが予想して臨むべきであると主張した
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2017年度予算(2016年10月から適用)の議論が始まっており、各軍種や国防省内の「枠獲得をめぐるつばぜり合い」が始まっています
Carlisle-AFA.jpg軍事メディアも、「兵器の更新」VS「将来のための研究開発投資」の視点で記事を書いたり、「陸軍のヘリや、海軍のオスプレイや、空軍のJSTARSが危ない」とか、国防省高官がこんな発言をしたとか、「Third Offset strategy」はコンセプトとして存命だとか・・・種々の噂を飛ばしています。
カーライル司令官も、まず身内やシンパを固め、予算獲得競争の荒波にこぎ出そうとの決意表明でしょうか。発言は全てもっともで、参考にはなりますが・・・
戦闘機間のリンクに関する記事
「ACC戦略2015」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-12
「戦闘機世代間のリンクが必要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-19-1
「5世代機にはバーチャル訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-28-1

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