20日付読売新聞朝刊6面の記事によれば、19日にロシア国営企業が中国へのSu-35輸出契約を結んだと発表した模様
いろいろ紆余曲折が報じられていましたが、結構あっさり決まった感があります
20日付読売新聞朝刊6面の記事によれば
●19日、ロシアの武器輸出を統括する国営企業「ロステク」は、最新鋭の戦闘機Su-35を輸出する契約を中国と結んだと明らかにした
●ロシア紙の「コメルサント」は、輸出するのは24機で契約金額は約2460億円と報じた
●Su-35は航続距離が3400kmで、中国は周辺国との領有権争いで緊張が続く南シナ海等での空軍力を強化するため配備するとの見方がある
●同戦闘機はロシア空軍のみが配備(極東にも)しており、輸出としては今回の中国が初めてとなる
●ロシアは原油価格の下落とウクライナ情勢を巡る欧米による制裁で経済状況が悪化しており、武器輸出契約を通じて、中国との結びつきを強める(意向かも知れない)
本件について6月の段階では
6月19日付Defense-Techによれば
●Su-35を製造するUnited Aircraft社のYuri Slyusar社長は、パリ航空ショーの会場で中国への輸出交渉の状況について質問され、契約交渉は一端中断していることを認めた。
●そして同社長は「問題点は、政府レベルの軍事協力に関する部分にあり、我々企業レベルの話ではない」と述べつつ、「我が社は、24機のSu-35売却契約が今年中に締結できるものと信じている」と述べるに止まった
●中国は最近、ロシア製Su-27を基に開発(勝手にコピーされたとロシアが反発)されたJ-11B戦闘機の発展版J-11Dの初飛行試験を行っている。
●しかし依然として中国空軍がSu-35に興味を示しているのは、日本が導入するF-35やインドが導入するSu-30MKOやT-50に対処するためだと報じられている
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Su-35はマルチロールな戦闘機で、制空用にも、戦闘爆撃用にも、攻撃用にも、対地支援にも使用可能なスホーイシリーズの最高峰です
極東ロシア空軍にも配備開始されており、航続距離が中国の最新戦闘機Su-27(J-11B)の1.5倍もあると言われていることから、日本も警戒が必要でしょう
Su-27を中国に勝手にコピーされたロシアは、中国への武器輸出に慎重になったはずですが、厳しい経済情勢からやむなく許可したのでしょうか・・・
更に言い過ぎでしょうが、パリ航空ショーでは米国製の4世代機F-16やF-15やFA-18も上回り、F-35をも上回ると宣伝していたようです
「中国への露製Su-35輸出契約は成立するか?」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-20
10月末に、西沙諸島の「Woody Island:永興島」に展開したと言われている中国海軍戦闘機が、Su-27を勝手にコピーのJ-11Bですが、それより行動半径が1.5倍である点が「みそ」です。
もちろん、東シナ海に出現する可能性もありますが・・・・
今後明らかになるであろう、納入時期や配備先に注目したいものです
南シナ海と中国戦闘機関連
「西沙諸島に中国戦闘機展開?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02-1
「南シナ海は塩害対処が鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-10