対露を強化!?:4機のF-22が欧州初展開

F-22Hawaii2.jpg28日、たった4機ですが米空軍のF-22が初めて欧州に機動展開し、ドイツのSpangdahlem基地で9月中旬まで周辺同盟国軍機と各種訓練を行うことになりました。
活発化するロシア軍を受け、米国防省が欧州諸国の懸念を和らげるための「European Reassurance Initiative」の一環ですが、ユーロファイター等、欧州の主要戦力との共同訓練も注目されるでしょう
F-22は2005年から運用開始していますが、数年前にパイロットへの酸素供給装置が原因と言われる墜落事故や操縦者の意識喪失事案等が多発し、海外派遣や長時間フライトが制限された時期がありました
その後対策が取られ、2014年秋にシリア国内の対IS作戦の緒戦に投入され実戦デビューを果たしています。
今は順調に活動を続けているようで、「4世代機編隊にF-22を随伴させることで、4世代機の力を大幅増強してくれる」と米空軍首脳はよく語っています
「ACC司令官がF-22を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1
28日付Defense-Newsによれば
F-22hardturn.jpg●28日、4機のF-22戦闘機(第95戦闘飛行隊)が60名の整備員等と共に、ドイツのSpangdahlem基地に到着し、9月中旬までの展開訓練を開始した。欧州への初の展開となる
●Frank Gorenc欧州米空軍司令官は声明で、「展開先のインフラや海外展開で発揮できる能力を確認し、欧州米空軍の兵士達にも第5世代機を扱う機会を提供する」と展開の意義を述べ、同時に「我々の決意と欧州安全保障への関与を明示するものである」と明言している
●24日の会見でJames空軍長官は、「戦力の展開と欧州での演習は、米国の「strong and balanced アプローチ」を支えるものである。今回のF-22展開はStrong面を体現するものである」と語っている
●展開期間中の訓練は、5世代機が複数欧州基地やNATO施設に展開できることを証明するために計画され、あわせてパイロットが空域に習熟することも狙いとして考えられている
●また本展開は、米空軍機に欧州同盟国のユーロタイフーン等との空中戦訓練の機会を提供する。
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F-22Kadena.jpg「strong and balanced アプローチ」ですが、米軍関係では「Strong」面だけしかご紹介していませんが、軍事政策や外交面では「balanced」面があるのかもしれません。
小出しに「F-16展開」「A-10展開」等々を米軍は持ち出してきますが、、忘れられないように「火星に生物の痕跡か?」との情報を発信する米国の宇宙開発当局のようにも見えてしまいます。
以前は日本も「のどから手が出るほど欲しい」と言ったF-22ですから、「4世代機の力を大幅増強」する能力を発揮し、欧州の安定に貢献して欲しいものです
欧州関連の米軍の動き等
「欧州で冷戦後最大の空挺演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-21-1
「米国防長官:対ロシアはVJTFで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-26
「米陸軍:欧州への重装備集積を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-16
「次の米軍トップ:露が最大の脅威」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-10
「電子戦で米陸軍は露に劣る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「米軍がロシア最新軍事技術分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
F-22の戦力増強効果を期待
「ACC司令官がF-22を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1

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