22日付で Lockheed Martin社は、僅か3ヶ月余りの間に、大ベテランU-2高々度偵察機に標準化された異なるOpen Mission Systems (OMS)装備を7種類も搭載し、飛行試験を6回も実施し、成果を確認できたと発表しました。
このOMS装備とは、機体とのインターフェースや機材形状を標準化して定めておくことでモジュラー化可能にし、最新装備(PCやセンサーやデータ処理装置等)の機体への導入や更新を容易にする取り組みです。
またOMSは、多様な企業が標準化された機器を競争して開発することを促し、価格の低下を促す効果も期待されています
今回はU-2偵察機が対象ですが、複数の無人機もOMSを導入しており、センサーやデータ処理装置のアップグレードに貢献しているようです
22日付 Lockheed Martin社発表によると
●加州パルマデールで僅か3ヶ月の間に、U-2偵察機にOMS化された搭載品を7種類もテストすることに成功した。これは米空軍が推進するOMSビジョンを支援した6回の飛行試験を支援することで達成された
●John Clark先進開発部長は「この試験は、通信中継機能をOMSコンセプトで導入した装備の融合でダイナミックに実現することに焦点を当てたものである」と語っている
●更に同部長は「この試験により、OMS標準が米空軍の将来の技術的基礎を、迅速に効率的に高める可能性を証明できた」とも表現した
●試験では、U-2に搭載された複数の周波数通信を融合し中継する装置を通じ、米空軍のF-22、米海軍のFA-18、長距離対艦ミサイルLRASM模擬のデータを相互に共有することが出来た
●更に、これらの海空軍アセットのデータは、地上部隊のRover地上データ管制センターとも共有され、発射後のLRASMに最新の目標位置データ等を伝達した
●Lockheed Martin社は、米空軍のOMSビジョンと、我が社の民生有用技術の早期活用方針を組み合わせ、飛行試験中に既存の他システムをリセットすることなく試験を遂行し、技術の安定性を証明した
●これにより、我が社がOMSコンセプトに沿ってハードとソフトと開発に貢献できることも示すことが出来た
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2つの意味で重要な試験・取り組みだと思います。
一つは、まさに記事が示すように、Open Mission Systems (OMS)とのコンセプトの元、標準化によるモジュラー化により、最新の技術を軽易に安価に導入し、アセットの陳腐化を避けて技術進歩の恩恵を最大限に享受する「仕組み」を導入できた点です
もう一つは、衛星や地上のデータ中継装置が被害を受けた場合の代替としての航空アセット活用です。
米空軍だけでなく米海軍も、無人機にOMSを積極的に適応する姿勢で、国防省全体で10種類の無人機がOMSコンセプトで、センサーやデータ送受信装置の作成に取り組んでるいるようです
細部が明らかになりにくい分野でしょうが、しっかり「文化として」根付かせて頂きたいものです
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