2日から3日にかけ、カーター国防長官がインドを訪問し、インド首相、国防省、外務担当相、国家安全保障補佐官と会談表敬を行い、「2015 Framework for the India-U.S. Defense Relationship」文書に署名したようです。またインド海軍の東部コマンドを訪問しています
本文書は、これまでの合意事項をアップデートしたもので、高官協議や技術協力等を含みますが、今年1月のオバマ大統領訪問で前進した両国関係の推進力を絶やさないよう、懸命のエネルギー充填です
3日付米国防省web記事によると
●両国による共同声明によれば、インドのParrikar国防相とカーター長官は、両国の国防関係の他、広範な戦略パートナーシップについて話し合った
●両者は両国関係を発展させることに合意し、地域の安全保障問題について意見交換を行った
●新たな「2015 Framework」は従来の合意を発展させるもので、今後10年計画でハイレベルの戦略対話や両国軍の交流や訓練により国防能力強化を目指すものとなっている
●新枠組みは変化を続ける軍事技術分野の協力(Technology and Trade Initiative (DTTI))についても触れ、両国が「mobile electric hybrid power」や「next-generation protective ensembles」の共同開発に合意したことに言及している
●更に、本年1月のオバマ大統領によるインド訪問時の合意である、ジェットエンジン共同開発の推進、空母設計建造に関する協議を更に前進させることでも合意した
●また、インドを軍装備の製造ハブへと推進する国家計画を含む、両国軍需産業界のパートナーシップ構築に向け、共同生産や共同開発を追求することでも合意した
●また両国防相は、相互の関心事項である海洋安全保障や国防に関する知的分野でも協力関係を継続発展させることで合意した
●カーター長官は、インド国防相を米国に招待し、インド側は基本的に同意した。
3日付Defense-News記事は
●米国防省高官は、DTTIの2つのプロジェクトは、2年間の合計で6000万円程度の小さなプロジェクトだが、規模は問題ではなく開始することに意義があると語っている
●今後可能性のあるより大きな共同プロジェクトは何かとの記者団の質問に、同高官は、基本的にインド側が望むものは何でも歓迎すると述べたが、ジェットエンジンや空母設計については議論を始めている模様
●ただ、冷戦時代の長きに亘り、両国の軍需産業システムは全く異なる道を歩んできた。そのため両国産業の協力には時間がかかる。またインドの国防調達は非常に時間が必要であり、その点も考慮する必要がある
●一方、対外関係に関し積極的とは言えなかったインドの前政権と比較し、モディ政権は積極的だとみられており、今後に期待されている
///////////////////////////////////////////////
米側の力の入れようが伺えます。しかし、少し前進ぐらいのことかも知れません。ジェットエンジンや空母の設計が簡単に進むとも思えませんし・・・
しかし重要な大国間の関係ですので、なが・・い目で見る必要がありましょう
インド関連の記事
「露製ステルス戦闘機インド輸出版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-14
「インド首相の米国訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-30
「ヘーゲル長官の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12
「米印関係ランクアップ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-01-1
「米軍がインド対応特別チームを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-16