28日、Odierno米陸軍参謀総長は記者団に対し、米空軍が決定した無人機による継続的偵察(ISR)飛行を削減について、理解していると語りました。
米空軍は20日、無人機による継続的ISR空中哨戒CAPのポイントを、従来の「65」から「60」に削減すると発表していた模様です
Odierno米陸軍参謀総長は記者団に
●予算の強制削減により、米軍は厳しいトレードオフを迫られているのだ。米空軍は能力の限界で、それしか実施出来ないのだ。選択の余地はない。空軍の能力を拡大しない限り、現状を維持することが出来ない。
●(米空軍は哨戒ポイントを削減し、その人員で無人機運用要員の養成も行うと発表したが、)プレデターやリーパーからの情報で陸軍が助けられているとは言え、米空軍の判断は本質的に正しい
●ただし、無人機CAPに対するISR要望が減少したわけではない。任務遂行中の部隊からのISR要求は強いのだ。
●あるレベルまで無人機情報が減少することになれば、任務遂行を停止せざるを得なくなる
併せて米空軍とのCAS協力について
●3月に開催した米空軍との「CAS summit」で対地攻撃支援CASの革新を議論したが、その議論に好感触を得ている。
●同会議では、将来装備や技術がCASにどのような変化をもたらすかの意見交換をしたが、米空軍が献身的に地上部隊支援のためのCASを考えていてくれることを確信した。
●多数のF-35導入が予期されているが、F-35が地上部隊支援にどのように機能し、どのように使用されるのかを理解しなければならない
●朝鮮半島や欧州で予期される地上部隊支援攻撃CASは、アフガニスタンのそれとは大きく異なる。どうするかを確認しておく必要がある
●その点、米空軍が地上部隊と空軍機との連携をとるJTAC要員の大量養成に取り組んでいることを高く評価したい
●本年後半、CASに関する2つの大きな演習を予定しており、陸軍と空軍の関係強化を図りたい
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後半部分は米空軍への援護射撃です。米空軍はよく考えているから、A-10を全廃しても大丈夫ですよ・・と間接的に応援しています
Odierno米陸軍参謀総長は既に退任が決定し、後任候補も大統領が示しています。そんな状態の影響もあってか、陸空軍の協力が良好に見えます
ただ「朝鮮半島や欧州で予期される地上部隊支援攻撃CASは、アフガニスタンのそれとは大きく異なる」との発言は、その通りですが、はっきり脅威認識を語られるとビックリもします
無人機CAPの削減は、予算の話は当然あるでしょうが、操縦者などの無人機運用要員の離職が相次ぎ、任務遂行が困難になったことも大きく影響しているのかも知れません。
無人機に関しては5月20日に「other RPA field reforms」も発表されているようです。重要な内容があれば、また取り上げます
無人機関連の記事
「無人機事故率は有人機の6倍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-21-1
「無人機操縦者の離職加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-31
「無人機操縦者手当を2倍以上に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17