26日James空軍長官は、SpaceX社のFalcon 9ロケットを国家安全保障用の衛星打ち上げ候補として承認すると発表しました。
この決定により、2006年12月にLockheed Martinとボーイングが共同創設した「United Launch Alliance」誕生で独占状態となった打ち上げを、約10年ぶりに複数候補企業が担当可能となりました
確かこの決定に至るまでには、一度米空軍が申請を却下した後、SpaceXが不服を申し立て、すったもんだで再審査を開始し、2年掛けて今回の「許可」が降りた経緯があったと思います
改めてSpaceX社のElon Musk社長(CEO)の執念と強い思いを感じます。
Falcon 9ロケットの性能とか、どの程度の受注可能性があるのかよく分からないのですが、「蟻の一穴」になる可能性を秘めた出来事です
James空軍長官は声明を発表し
●これは米空軍と国防省にとって極めて重要なマイルストーンである
●この決定により、軍事衛星打ち上げの「resiliency:強靱性・弾力性」が向上すると共に、高価なロケット打ち上げのコストダウンが期待される
●米空軍は打ち上げ参入に関する審査のため、150名の人員と70億円以上を投入し、125項目に及ぶ詳細な審査を行った
●この審査には、2800項目もの要求事項、3回の試験発射、160項目の衛星打ち上げ用のインターフェイス要求、主要な21個のサブシステム審査、700項目の経費審査等が含まれ、米空軍が打ち上げに使用しても大丈夫かを技術的に確認した
SpaceX社のElon Musk社長(CEO)は
●この決定は、安全保障用の衛星打ち上げに競争原理を持ち込む重要な一歩である。
●我々は米空軍が我が社に寄せてくれた信頼に感謝し、空軍のために貢献出来ることを楽しみにしている
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経緯を十分に把握せず、Falcon 9ロケットと「Atlas」や「Delta」ロケットとの差異を説明出来なくて申し訳ありません
一般報道も出ると思いますので、参考にして頂きたいと思います
「重厚長大で参入障壁が無限大に高い典型的分野」と経済学の教科書にも載っていそうな衛星打ち上げ産業ですが、ここに風穴を開けたのがSpaceX社のElon Musk社長(CEO)です
民間企業の経験も豊富なJames空軍長官としては、この機を生かし、競争原理によるコスト削減を図りたいのでしょう
米軍事衛星打ち上げが露製ロケットエンジンに依存の問題
「露製エンジンを何機まとめ買い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-30-2
「米国安堵;露製エンジン届く」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-22
「露副首相が禁輸示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-22
「露製ロケットエンジンがピンチ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-18-1