米空軍:無人機事故率は有人機の6倍

Mica Endsley.jpg20日、米空軍の首席科学技術官であるMica Endsley女史は退任前の講演で、米空軍の無人機操縦者にストレスによる離職者が多い原因の一つは、人間工学を考えていない場当たり的な操縦システム設計にあると語りました
養成者数より離職者が圧倒的に多い米空軍の無人機操縦者問題ですが、心理学者ではない科学者がアプローチすると、このような表現になるのかもしれません
ただ、無人機の事故率が有人機の6倍との発言は考えさせられます。
21日付米空軍協会web記事によれば
Mica Endsley2.jpg●20日、米空軍の首席科学技術官(Chief Scientist of the U.S. Air Force)であるMica Endsley女史は、米空軍の無人操縦者が過大なストレスに悩まされている原因の一つは、「人間工学への考慮の無い」急造コックピットにあると語った
●Endsley女史は、無人機MQ-1リーパーやMQ-9プレデターの操作装置は「エンジニアがエンジニアのために作ったような仕様で、無人機操縦者のことを考えていない」、「表示ディスプレイは見難く、配置はでたらめで、操縦者が必要な情報を探して目を凝らすような代物だ」と表現した
●同科学技術官は、操作装置は無人機需要の急増に対応するため寄せ集められたような仕様であり、これが有人機より6倍事故率が高い原因の一つだろうとも発言した
米空軍は2017年に運用開始できるよう新しい操作装置を検討しており、いくつかの問題を解決するだろうが、virtual-realityで操縦クルーを包み込むような装置ではない。それを実現可能な多量の周波数帯を確保できないのだ
Mica Endsley3.jpg●Endsley女史は絶対必要だと言っているが、新操縦装置はRQ-4グローバルホークには準備されていない
●同女史はまた、無人機操縦者に特有のストレス、つまり日中は激しい緊張感を伴う戦闘に従事し、仕事後は子供とサッカーゲームに興じるような特異なメンタルストレスへの対処方法についても研究を行っている
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サイエンスではなくサイコロジー的なアプローチだと、有人機操縦者が給料、昇任、教育を受けるチャンス、職場環境等々の面で圧倒的に優遇される環境の中で、最前線のつらい任務と平穏な家庭生活の両極端の両立を迫られる不満を取り上げられるのだろうと思いますが・・・
MQ-9-2.jpg米空軍における「有人機の6倍の事故率」・・これをどう見るべきでしょうか。
そんなものだろう・・・ちょっと油断しすぎじゃないのか・・・民間航空路や市街地上空は飛行させたくない・・・遠隔操作の安全性はそんな程度。。などなど。
もう少し下げないと、今後無人機を民間航空路や本土上空を飛行させることは難しいのでは・・とも思います
無人機操縦者の問題
「無人機操縦者の離職加速」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-31
「無人機操縦者手当を2倍以上に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-17
「戦闘機族ボスがF-22,F-35等を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-16-1
「ハイテク無人機を支える馬の毛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-29

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